第60回 午後 問83
臨床医学
小脳障害でみられる症候はどれか。2つ選べ。
- 1筋緊張低下
- 2静止時振戦
- 3ジスメトリー
- 4深部感覚障害
- 5病的反射陽性
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✓ これが正解1筋緊張低下
✓ これが正解3ジスメトリー
解説
小脳障害では、筋緊張低下とジスメトリーがみられます。
小脳は、動きの速さ・力・方向を調整し、滑らかで正確な運動を作る働きをもちます。小脳が障害されると、麻痺や感覚の障害はないのに、動きがぎこちなく不正確になる運動失調が起こります。小脳の症候か、他の部位の症候かを区別するのが判断の軸です。
小脳障害では、筋緊張低下がみられ、関節を他動的に動かすと抵抗が少なく、振り子のように揺れやすくなります。また、ジスメトリー(測定障害)がみられ、指を鼻に持っていくときに目標を行き過ぎたり手前で止まったりします。どちらも小脳障害の代表的な症候です。このほか、企図振戦、変換運動障害、構音障害、体幹の動揺もみられます。
残りの選択肢は、小脳以外の部位の障害でみられる症候です。静止時振戦はParkinson病、深部感覚障害は脊髄後索や末梢神経の障害、病的反射陽性は錐体路の障害を示します。
小脳の振戦は動こうとすると出る企図振戦、Parkinson病の振戦は休んでいるときに出る静止時振戦、と対比して覚えておくと、振戦の問題で迷いません。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2静止時振戦:静止時振戦は、手足を動かさず休めているときに出て、動かそうとすると小さくなるふるえで、Parkinson病の代表的な症状です。小脳障害のふるえは、動かそうとすると強くなる企図振戦です。
- 4深部感覚障害:深部感覚障害は、関節の位置や動きの感覚を伝える脊髄の後索や末梢神経が障害されて起こります。小脳そのものの障害では、深部感覚は保たれるのが普通です。
- 5病的反射陽性:Babinski反射などの病的反射の陽性は、大脳から脊髄へ運動の指令を伝える錐体路が障害されたことを示す所見です。小脳の障害だけでは病的反射は陽性になりません。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問83(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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