第60回 午後 問84
臨床医学
反回神経麻痺により障害される期
嚥下機能で反回神経麻痺により障害される期はどれか。
- 1先行期
- 2準備期
- 3口腔期
- 4咽頭期
- 5食道期
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✓ これが正解4咽頭期
解説
反回神経麻痺では、嚥下の咽頭期が障害されます。
嚥下(飲み込み)は、先行期、準備期、口腔期、咽頭期、食道期の5つの時期に分けて考えます。先行期は食べ物を認識する時期、準備期は噛んで食塊を作る時期、口腔期は舌で食塊を喉へ送る時期、咽頭期は反射で食塊を食道へ送る時期、食道期は食道の動きで胃へ運ぶ時期です。
反回神経は迷走神経の枝で、喉頭の筋の多くを支配し、声帯を開いたり閉じたりします。咽頭期には、食塊が気管に入らないよう、声帯がしっかり閉じて気道を守ります。反回神経が麻痺すると声帯が十分に閉じず、食べ物や水分が気管に入る誤嚥が起こりやすくなります。声がかすれる嗄声も伴います。したがって、反回神経麻痺で障害されるのは咽頭期です。
残りの時期は、反回神経の働きとは直接関わりません。先行期と準備期は認知と咀嚼の時期、口腔期は舌の働き、食道期は食道の蠕動の時期です。
声帯を動かす反回神経は気道を守る咽頭期に関わる、と神経の働きと嚥下の時期を結び付けて覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1先行期:先行期は、目の前の食べ物を見て何をどのくらい食べるかを認識し、口へ運ぶ時期です。主に意識や認知の働きが関わり、声帯を動かす反回神経の麻痺とは関係しません。
- 2準備期:準備期は、口に入れた食べ物を噛み砕き、唾液と混ぜて飲み込みやすい塊にする時期です。咀嚼筋や舌、頬の動きが中心で、喉頭の筋を支配する反回神経は関わりません。
- 3口腔期:口腔期は、舌を上あごに押し付けて、まとめた食塊を口の奥から喉へ送り込む時期です。主に舌下神経が支配する舌の動きが中心で、反回神経の麻痺では障害されません。
- 5食道期:食道期は、食道の筋が順番に縮む蠕動運動で、食塊を胃へ運ぶ時期です。喉頭の声帯の閉鎖とは関係がなく、反回神経の麻痺で主に障害される時期ではありません。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問84(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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