第60回 午後 問95
臨床医学
周術期の肺塞栓症で誤っているの
周術期の肺塞栓症で誤っているのはどれか。
- 1呼吸困難を生じる。
- 2突然死のリスクが高い。
- 3歩行開始時に発症しやすい。
- 4予防のため安静臥床とする。
- 5下肢の静脈血栓が原因となることが多い。
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✓ これが正解4予防のため安静臥床とする。
解説
周術期の肺塞栓症の予防は、安静臥床ではなく早期離床です。
肺塞栓症は、主に下肢の深い静脈にできた血栓(深部静脈血栓症)がはがれて血流に乗り、肺の動脈を詰まらせる病気です。手術の後は、体を動かさないことで血液が滞り、手術による血液の固まりやすさも加わって、下肢に血栓ができやすくなります。
肺塞栓症を防ぐには、血液の流れを保つことが大切です。そのため、手術の後はできるだけ早く体を動かし、離床や歩行を進めます。足首の運動、弾性ストッキング、間欠的空気圧迫法、抗凝固薬なども組み合わせて予防します。予防のために安静臥床とすると、かえって血流が滞って血栓ができやすくなります。したがって、誤っているのは予防のため安静臥床とするという記述です。
ほかの記述はどれも正しい内容です。突然の呼吸困難や胸痛で発症し、突然死の危険が高い病気であり、術後に初めて歩くときなど、下肢の血栓がはがれやすい場面で起こりやすく、原因の多くは下肢の静脈の血栓です。
血栓は動かないとできる、だから予防は早期離床、と仕組みで覚え、初めて立つ・歩く場面での急な呼吸困難に注意する、と組にしておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1呼吸困難を生じる。:肺の動脈が血栓で詰まると、肺で酸素を取り込めなくなり、突然の呼吸困難や息苦しさが起こります。胸痛や頻呼吸を伴うことも多く、肺塞栓症の代表的な症状です。
- 2突然死のリスクが高い。:太い肺動脈が詰まると、心臓から肺へ血液を送れなくなり、急に血圧が下がって心停止に至ることがあります。肺塞栓症は突然死の危険が高い病気として知られています。
- 3歩行開始時に発症しやすい。:術後に初めて立ったり歩いたりすると、ふくらはぎの筋が縮んで静脈が押され、下肢にできていた血栓がはがれやすくなります。歩行開始時に発症しやすいという記述は正しい内容です。
- 5下肢の静脈血栓が原因となることが多い。:肺塞栓症の原因となる血栓の多くは、下肢の深い静脈にできた深部静脈血栓症に由来します。下肢の静脈血栓が原因となることが多いという記述は正しい内容です。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問95(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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