第61回 午前 問15
理学療法治療学
良性発作性頭位めまい症の問題
74歳の女性。起床時に突然回転性めまいを生じ受診したところ、良性発作性頭位めまい症と診断された。発症2日で、寝返り時や起き上がり時に一過性の回転性めまい症状はあるが、歩行安定性に問題はない。理学療法で適切なのはどれか。
- 1Epley法を行う。
- 2杖歩行練習を行う。
- 3閉眼でのバランス練習を行う。
- 4頭部回旋を伴わない動作方法を指導する。
- 5等尺性運動を用いた頸部の筋力増強練習を行う。
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✓ これが正解1Epley法を行う。
解説
頭位変換で誘発されるめまいにはEpley法を行います。
良性発作性頭位めまい症は、耳の奥の三半規管に耳石のかけらが入り込み、頭の向きを変えたときに短い回転性のめまいが起こる病気です。この患者も、寝返りや起き上がりのときに一過性のめまいがあり、歩行の安定性には問題がありません。
Epley法は、頭と体の向きを決まった順に変えていき、三半規管に入り込んだ耳石を元の場所へ戻す方法で、頭位変換療法(浮遊耳石置換法)と呼ばれる治療の代表です。原因そのものに働きかけるので、症状の改善が期待できます。ほかの肢は、この患者にない問題を対象にしているか、めまいを起こす動きを避けることで回復を遅らせる方向のものです。
したがって、Epley法を行うのが適切です。頭の向きでめまいが起こり、歩行は安定しているなら、耳石を戻す頭位変換療法を考える、と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2杖歩行練習を行う。:この患者は歩行安定性に問題がないと書かれており、杖で支える必要はありません。めまいは頭の向きを変えたときの一過性のものなので、杖歩行の練習は原因に働きかけません。
- 3閉眼でのバランス練習を行う。:閉眼でのバランス練習は、視覚に頼らずに平衡を保つ練習です。この患者の問題は耳石による頭位変換時のめまいで、バランスの低下ではないため、優先する方法ではありません。
- 4頭部回旋を伴わない動作方法を指導する。:頭を回す動きを避け続けると、めまいを起こす動作への慣れが進まず、かえって回復が遅れることがあります。原因に働きかける頭位変換療法を行うほうが適切です。
- 5等尺性運動を用いた頸部の筋力増強練習を行う。:頸部の筋力を高める運動は、耳石が原因のめまいとは関係がありません。首の筋力が弱いことは症例文に書かれておらず、症状の改善にはつながりません。
出典:第61回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問15(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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