第61回 午前 問14
理学療法治療学
末梢動脈疾患に関する問題
60歳の男性。末梢動脈疾患。Fontaine分類Ⅱ度。連続歩行距離が低下しているが、歩行時以外の疼痛はなく、足部の変形は見られない。この患者の連続歩行能力改善に最も適切な理学療法はどれか。
- 1寒冷療法
- 2足底挿板作製
- 3トレッドミル歩行練習
- 4コンプレッションポンプ
- 5下肢他動的関節可動域運動
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✓ これが正解3トレッドミル歩行練習
解説
間欠性跛行にはトレッドミル歩行練習が最も適切です。
Fontaine分類は末梢動脈疾患の重症度の分類で、Ⅱ度は歩くと下肢に痛みが出て休むと治まる間欠性跛行の段階です。この患者も歩行時以外の痛みはなく、連続して歩ける距離が短くなっています。足部の変形も見られません。
間欠性跛行には、監視下での歩行を中心とした運動療法が勧められます。トレッドミル歩行練習では、痛みが出るところまで歩いて休み、また歩くことを繰り返します。これを続けると、筋が酸素を使う効率や側副血行(迂回路となる血管)の働きが高まり、連続歩行距離が延びると考えられています。トレッドミルは速度や傾斜を一定に調整できるので、負荷の管理もしやすい方法です。ほかの肢は、血流を減らす方法や、この患者にない問題を対象にした方法、歩く能力を直接高めない方法です。
したがって、トレッドミル歩行練習が最も適切です。Fontaine分類Ⅱ度の間欠性跛行には歩行の運動療法、と結び付けて覚えましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1寒冷療法:寒冷療法は冷やすことで血管を縮め、血流を減らす方向に働きます。もともと下肢の血流が不足している末梢動脈疾患では、歩行能力の改善に役立たず、適しません。
- 2足底挿板作製:足底挿板は足の変形や足底への荷重の偏りを補うものです。この患者には足部の変形がないので作製する理由がなく、連続歩行距離を延ばす効果も期待できません。
- 4コンプレッションポンプ:コンプレッションポンプは、空気の圧で手足を周期的に圧迫する機器で、主にむくみの軽減に使われます。動脈の血流不足による歩行時の痛みを改善する目的には合いません。
- 5下肢他動的関節可動域運動:他動的な関節可動域運動は関節の動きを保つためのもので、筋の持久力や血流の改善にはつながりにくい方法です。連続して歩ける距離を延ばす練習にはなりません。
出典:第61回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問14(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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