第61回 午前 問92
臨床医学
慢性腎臓病の臨床所見
慢性腎臓病の臨床所見はどれか。
- 1蛋白尿
- 2低血圧
- 3アルカローシス
- 4高カルシウム血症
- 5エリスロポエチンの産生亢進
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✓ これが正解1蛋白尿
解説
慢性腎臓病の代表的な所見は蛋白尿です。
慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の障害や働きの低下が長く続く状態をまとめた考え方です。腎臓は、血液をろ過して老廃物や余分な水分を尿として出すほか、血圧の調節、体の酸とアルカリのバランスの調整、骨に関係するビタミンDの活性化、赤血球をつくるホルモンの分泌など、多くの働きをもっています。
腎臓のろ過の仕組みが傷つくと、本来は尿に漏れ出ないたんぱく質が尿に出てくるようになります。これが蛋白尿で、慢性腎臓病を見つける大事な手がかりであり、診断の基準にも使われる代表的な所見です。ほかの肢は、腎臓の働きが落ちたときに起こる変化を逆の向きに述べたものです。腎臓の働きが落ちると、血圧は上がり、体は酸性に傾き、血液中のカルシウムは下がり、赤血球をつくるホルモンは減ります。
したがって、慢性腎臓病の臨床所見は蛋白尿です。腎臓が担う働きを並べ、それが落ちたらどう変わるかを考えると、所見を整理しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2低血圧:腎臓は体の中の水分と塩分の量を調節しています。働きが落ちると水分や塩分がたまりやすくなり、血圧は上がります。慢性腎臓病では低血圧ではなく高血圧が問題になります。
- 3アルカローシス:腎臓は体の中にできる酸を尿に出して、酸とアルカリのバランスを保っています。働きが落ちると酸がたまり、体はアルカリ性ではなく酸性に傾くアシドーシスになります。
- 4高カルシウム血症:腎臓の働きが落ちると、ビタミンDを活性型に変える力が弱まり、腸からのカルシウムの吸収が減ります。血液中のカルシウムは高くなるのではなく、低くなりやすいです。
- 5エリスロポエチンの産生亢進:エリスロポエチンは腎臓でつくられる、赤血球を増やすホルモンです。慢性腎臓病では産生が減るため、貧血(腎性貧血)が起こります。亢進するのではありません。
出典:第61回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問92(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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