平成22年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問25
システム監査
請負契約に関する問題
請負契約でシステム開発を委託している案件について,委託元のシステム監査人の指摘事項に該当するものはどれか。
- ア委託した開発案件の品質を委託元の管理者が定期的にモニタリングしている。
- イ委託元の管理者が委託先の開発担当者を指揮命令している。
- ウ契約書に機密保持のための必要事項が盛り込まれている。
- エ特定の委託先との契約が長期化しているので,その妥当性を確認している。
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✓ これが正解イ委託元の管理者が委託先の開発担当者を指揮命令している。
解説
委託元が委託先の担当者を指揮命令するのは、請負契約に反します。
請負契約では、委託先が仕事の完成を約束し、その仕事を進める作業者への指揮命令は委託先が行います。委託元の管理者が委託先の開発担当者に直接指示を出すと、実態は労働者を借りて使う形になり、請負の形を装った違法な状態とみなされるおそれがあります。システム監査人が指摘すべきなのは、このような問題のある状態です。この問は指摘事項を選ぶ問なので、3つの適切な管理の中から、1つだけ問題のある状態を探す形になっています。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア委託した開発案件の品質を委託元の管理者が…:委託した案件の品質を委託元の管理者が定期的に確かめるのは、外部委託の管理として求められる活動です。成果物や進み具合を見るのは指揮命令ではないので、監査人が問題として指摘する状態には当たりません。
- ウ契約書に機密保持のための必要事項が盛り込…:契約書に機密保持のための事項を盛り込むことは、外部に仕事を出すときの基本的な管理です。情報の漏えいを防ぐための適切な備えであり、監査人が問題点として挙げる内容ではありません。
- エ特定の委託先との契約が長期化しているので…:同じ委託先との契約が長く続いているときに、その妥当性を確かめ直すのは、委託先を適切に管理している姿です。見直しを行っていること自体は望ましい取組みであり、指摘の対象にはなりません。
この問題の用語
- 請負契約仕事の完成を約束して引き受ける契約のこと。作業の遂行だけを約束する準委任契約と違い、成果物を完成させる義務を負います。
- システム監査情報システムが安全で正しく使われているかを、担当から独立した立場で点検し報告すること。直すべきところを見つけて伝えます。
- 監査人システム監査を行う人。作る側や運用する側から独立した立場を保ち、自分では作らずに規程や記録を見て確かめます。
- 指摘事項監査で見つかった、直すべき点として報告書に書かれる事柄です。決まりどおりに行われていた行為は、ここには含まれません。
- モニタリング活動が決めたとおり行われているかを継続して監視すること。システムの稼働や計画の進み具合を見て、異常やずれに早く気づくために行います。
- 委託先業務の一部を任せた相手の会社です。任せる内容や守るべき条件を契約で定め、委託した側が状況を確かめます。
- 指揮命令働く人に仕事の内容や進め方を直接指示する関係のことです。派遣では派遣先が行いますが、請負では発注者ではなく受注した側が行います。
- 機密決められた人以外に見せてはならない、という扱いのことです。社外秘などの区分を決め、書類に表示して全員に周知します。
出典:平成22年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問25
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前Ⅱ 問23:著作権の帰属先に関する説明(請負契約)
- 令和5年度 秋期 午前Ⅱ 問25:直接修正に関する問題(指摘事項)
- 令和4年度 秋期 午前Ⅱ 問25:SaaSに関する問題(システム監査)
- 令和3年度 秋期 午前Ⅱ 問5:サイバーキルチェーンに関する説明(委託先)
- 平成29年度 春期 午前Ⅱ 問3:サイドチャネル攻撃の説明(機密)
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