第26回 問題9
精神医学と精神医療
次の記述のうち,精神分析療法として,正しいものを1つ選びなさい。
- 1物事の捉え方に焦点を当てて,修正する。
- 2「あるがまま」の心的態度を身につける。
- 3家族関係に生じている心理的問題に対して,家族を対象とした集団面接を行う。
- 4心に浮かんだことを自由に連想して,語ってもらう。
- 5芸術活動を通して心身の安定を図る。
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✓ これが正解4心に浮かんだことを自由に連想して,語ってもらう。
解説
精神分析療法は、浮かんだことを自由に語る自由連想の技法を使います。
精神分析療法は、フロイト(Freud, S.)が始めた精神療法で、本人が意識していない心の動き(無意識)に光を当て、症状の背景にある葛藤を理解していくことを目指します。各記述は、どの精神療法の技法を説明しているかで判断します。
精神分析療法の中心となる技法が自由連想法です。心に浮かんだことを、取るに足らないことや恥ずかしいことでも選ばずにそのまま話してもらい、その流れから無意識の葛藤を探っていきます。心に浮かんだことを自由に連想して語ってもらうという記述は、この技法そのものなので、正しい内容です。
他の記述は、別の精神療法の説明です。物事の捉え方を修正するのは認知療法・認知行動療法、あるがままの態度を身につけるのは森田療法、家族を対象とした面接は家族療法、芸術活動を通した方法は芸術療法の考え方にあたります。
覚え方として、精神療法の問では、自由連想は精神分析、認知の修正は認知行動療法、あるがままは森田療法、と技法の要点と療法名を一対一で結んでおくと迷いにくくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1物事の捉え方に焦点を当てて,修正する。:物事の捉え方(認知)のくせに焦点を当てて修正していくのは、認知療法や認知行動療法の考え方です。無意識の葛藤を探る精神分析療法とは、扱う対象も進め方も異なります。
- 2「あるがまま」の心的態度を身につける。:症状や不安を取り除こうとせず、あるがままに受け入れる心的態度を身につけるのは、森田正馬が始めた森田療法の考え方です。自由連想を用いる精神分析療法とは別の療法です。
- 3家族関係に生じている心理的問題に対して,家族を対象とした集団面接を行う。:家族関係に生じている問題を、家族全体を対象とした面接で扱うのは家族療法の進め方です。精神分析療法は、主に本人一人との面接で無意識の動きを探る点が異なります。
- 5芸術活動を通して心身の安定を図る。:絵画や音楽などの芸術活動を通して心身の安定を図るのは、芸術療法(絵画療法・音楽療法など)の考え方です。言葉による自由連想を中心とする精神分析療法とは手段が異なります。
出典:第26回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題9。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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