第27回 問題1
精神医学と精神医療
次のうち,成人の認知能力を詳細に評価するための心理検査として,適切なものを1つ選びなさい。
- 1文章完成法テスト
- 2ロールシャッハテスト
- 3WAIS-Ⅳ知能検査
- 4WPPSI-Ⅲ知能検査
- 5P-Fスタディ
答えと解説を見る
✓ これが正解3WAIS-Ⅳ知能検査
解説
成人の認知能力を詳しく測るのは、ウェクスラー式のWAIS-Ⅳです。
心理検査は、大きく分けて知能や認知の働きを測る検査と、性格(パーソナリティ)の傾向をとらえる検査があります。この問は、成人の認知能力を詳細に評価するという目的と、対象年齢の二つで判断します。
WAIS-Ⅳ知能検査は、ウェクスラー式知能検査の成人用です。全体の知能指数だけでなく、言語理解・知覚推理・ワーキングメモリー・処理速度といった指標ごとの得点を出せるため、どの働きが得意でどこが苦手かを細かく見ることができます。高次脳機能障害や発達障害、認知症の疑いなどで、認知の特徴を詳しく把握したい場面で使われます。
同じウェクスラー式でも、WPPSIは就学前の幼児向けで、成人には使いません。文章完成法テスト・ロールシャッハテスト・P-Fスタディは、いずれも投影法と呼ばれる性格検査で、あいまいな刺激への反応から心の動きを読み取るもので、認知能力を数値で詳しく評価する道具ではありません。
見分け方は、ウェクスラー式の名前の頭文字で対象を覚えることです。Aは成人、Cは児童、PPSIは幼児を表すと覚えると、年齢と検査が結び付きます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1文章完成法テスト:文章完成法テストは、書き出しだけの短い文を自由に完成させてもらい、その内容から考え方や感情の傾向を読み取る投影法の性格検査です。成人の認知の働きを指標ごとに数値化する検査ではありません。
- 2ロールシャッハテスト:ロールシャッハテストは、インクのしみの図版が何に見えるかを答えてもらい、その反応から人格の特徴をとらえる投影法の検査です。認知能力を詳細に測ることを目的とした知能検査には当たりません。
- 4WPPSI-Ⅲ知能検査:WPPSI-Ⅲ知能検査は、同じウェクスラー式でも就学前の幼児を対象とする版です。成人の評価には年齢の範囲が合わないため、この問の目的には使えません。
- 5P-Fスタディ:P-Fスタディは、欲求不満が起きる場面の絵を見て登場人物の返事を書き込む投影法の検査で、攻撃性の向きなどをとらえます。知能や認知の働きを詳しく測るものではありません。
出典:第27回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題1。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)