第27回 問題7
精神医学と精神医療
次のうち,精神科病院において業務従事者による精神障害者への虐待を発見した者が「精神保健福祉法」に基づいて取るべき行動として,正しいものを1つ選びなさい。
- 1国民健康保険団体連合会への申立て
- 2都道府県への通報
- 3警察署への通報
- 4地方裁判所への申立て
- 5市町村への通報(注) 「精神保健福祉法」とは,「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。
答えと解説を見る
✓ これが正解2都道府県への通報
解説
精神科病院での業務従事者による虐待は、都道府県へ通報します。
この問は、精神保健福祉法に置かれた精神科病院での虐待の防止の決まりで判断します。精神科病院での業務従事者による障害者虐待については、2022年の法改正で通報の仕組みが設けられ、2024年4月から施行されています。出題当時もこの決まりのもとにありました。
同法の第40条の3第1項は、精神科病院において業務従事者による障害者虐待を受けたと思われる精神障害者を発見した者は、速やかに、これを都道府県に通報しなければならないと定めています。通報先は都道府県で、発見したのが病院の職員か、患者本人か、家族かを問わず、発見した者に通報の義務がかかります。虐待を受けた本人が都道府県に届け出ることもでき、通報したことを理由に職員が解雇などの不利益な取扱いを受けないことも定められています。通報を受けた都道府県は、報告の徴収や立入検査、改善命令などの権限を使って対応します。
障害者虐待防止法では、障害者福祉施設の従事者による虐待は市町村へ通報する仕組みですが、精神科病院の場合は、病院への指導監督の権限をもつ都道府県が窓口になる点が異なります。覚え方は、精神科病院を監督するのは都道府県なので、通報先も都道府県、と結び付けることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1国民健康保険団体連合会への申立て:国民健康保険団体連合会は、診療報酬の審査支払いや介護保険の苦情処理などを担う団体です。精神科病院での虐待の通報先として法に定められた機関ではありません。
- 3警察署への通報:暴行などが犯罪にあたる場合に警察へ相談することはありえますが、精神保健福祉法が発見者に義務付けている通報先は警察署ではありません。
- 4地方裁判所への申立て:地方裁判所への申立ては、精神科病院での虐待を発見したときの手続として定められていません。法が定めるのは行政機関への通報です。
- 5市町村への通報(注) 「精神保健福祉法」とは,「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。:福祉施設で職員が加害者となる場合は市町村が受け手になりますが、精神科病院が舞台のときは仕組みが別です。病院を監督する権限をもつ都道府県が受け手として法に書かれています。
出典:第27回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題7。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)