第27回 問題20
精神保健福祉の原理
次のうち,精神科病院での職員による入院患者への暴行等の重大な不祥事件を契機に,任意入院制度を創設した法律として,正しいものを1つ選びなさい。
- 1精神衛生法
- 2精神病者監護法
- 3精神病院法
- 4精神保健法
- 5「精神保健福祉法」(注) 「精神保健福祉法」とは,「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。
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✓ これが正解4精神保健法
解説
宇都宮病院事件を契機に任意入院を創設したのは精神保健法です。
この問は、日本の精神保健医療の法律の歴史を、出来事と結び付けて押さえているかを問うものです。手がかりは、精神科病院での職員による入院患者への暴行等の重大な不祥事件と、任意入院制度の創設という二つの語です。
1984年に明るみに出た宇都宮病院事件では、職員による暴行で入院患者が死亡するなど、精神科病院での深刻な人権侵害が明らかになり、国内外から強い批判を受けました。これを受けて1987年に精神衛生法が改正され、名称も精神保健法となりました。精神保健法では、本人の同意に基づく任意入院の制度が新たに設けられたほか、入院時の書面による権利の告知、精神医療審査会の設置、精神保健指定医の制度など、入院している人の人権を守る仕組みが整えられました。
法律の流れは、精神病者監護法(1900年)、精神病院法(1919年)、精神衛生法(1950年)、精神保健法(1987年)、精神保健福祉法(1995年)の順です。精神衛生法で私宅監置が廃止され、精神保健福祉法で福祉の視点と精神障害者保健福祉手帳が加わりました。
覚え方は、宇都宮病院事件、精神保健法、任意入院と精神医療審査会、を一組にして覚えることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1精神衛生法:精神衛生法は1950年に制定され、私宅監置を廃止し、都道府県に精神科病院の設置を義務付けた法律です。任意入院の制度はまだなく、不祥事件を受けて任意入院を設けた法律ではありません。
- 2精神病者監護法:精神病者監護法は1900年に制定された日本で最初の精神障害者に関する法律で、家族などに監護の責任を負わせ、私宅監置を認めるものでした。任意入院の制度とは関係がありません。
- 3精神病院法:精神病院法は1919年に制定され、道府県に公立の精神病院を設置する考えを示した法律です。予算の不足で設置は進まず、任意入院の制度もこの法律には含まれていません。
- 5「精神保健福祉法」(注) 「精神保健福祉法」とは,「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。:精神保健福祉法は1995年に精神保健法が改正されてできた法律で、福祉の施策や精神障害者保健福祉手帳を加えました。任意入院の創設はそれより前の精神保健法によるものです。
出典:第27回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題20。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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