第27回 問題19
精神保健福祉の原理
次の記述のうち,障害者福祉を支える理念や概念の説明として,正しいものを1つ選びなさい。
- 1ソーシャルロールバロリゼーション(SRV)とは,人間らしく生きる権利の回復を目指すことである。
- 2リハビリテーションとは,人権擁護と公衆衛生の観点から健康・社会・経済上の悪影響を減少させることを主目的とするものである。
- 3バリアフリーとは,重大な逆境に遭遇したにもかかわらず,前向きに生きていこうとする復元力のことである。
- 4エンパワメントとは,無力化された人々が本来持っている力を取り戻し,抑圧的な状況を客観的に批判し主体的な変革を目指すことである。
- 5レジリエンス(resilience)とは,障害や疾患をもつ人というラベルによって生じる社会的不利を軽減することである。
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✓ これが正解4エンパワメントとは,無力化された人々が本来持っている力を取り戻し,抑圧的な状況を客観的に批判し主体的な変革を目指すことである。
解説
無力化された人が力を取り戻し主体的に変革をめざすのがエンパワメントです。
この問は、障害者福祉を支える理念や概念の名前と、その中身の説明とが正しく対応しているかを見る問です。各肢では、名前と説明がわざと入れ替えられているので、一つずつ照らし合わせて判断します。
エンパワメントは、社会の中で差別や抑圧を受け、自分には力がないと感じさせられてきた人々が、本来持っている力を取り戻し、自分たちを取り巻く状況を批判的にとらえて、主体的に変えていこうとすることを指します。アメリカの黒人の公民権運動の流れの中で、ソーシャルワークの考え方として広まったことが知られています。正解の記述は、この意味をそのまま説明しています。
ほかの肢は、別の概念の説明が組み合わされています。人間らしく生きる権利の回復は、全人間的復権ともいわれるリハビリテーションの理念の説明です。健康・社会・経済上の悪影響を減らすことを主な目的とする考え方はハームリダクションの説明、逆境に遭っても前向きに生きる復元力はレジリエンスの説明にあたります。
見分け方は、説明の中の鍵となる語、たとえば権利の回復、悪影響の減少、復元力、力を取り戻す、がどの概念のものかを確かめることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1ソーシャルロールバロリゼーション(SRV…:人間らしく生きる権利の回復をめざすという説明は、全人間的復権ともいわれるリハビリテーションの理念にあたります。社会的役割の価値を高めることを重視するSRVの説明ではありません。
- 2リハビリテーションとは,人権擁護と公衆衛…:人権と公衆衛生の観点から害を小さくすることを主眼に置く説明は、薬物使用などの分野で使われる考え方のものです。リハビリテーションの本来の意味である全人間的復権とは別物です。
- 3バリアフリーとは,重大な逆境に遭遇したに…:重大な逆境に遭っても前向きに生きる復元力という説明は、レジリエンスの意味です。バリアフリーは、障害のある人の生活や社会参加を妨げる物理的・制度的な障壁を取り除くことを指します。
- 5レジリエンス(resilience)とは…:レジリエンスは、困難な状況から立ち直る力や回復する力を指す言葉です。障害のある人というラベルによる社会的不利を軽くすることを意味する概念ではありません。
出典:第27回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題19。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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