第27回 問題37
精神障害リハビリテーション論
次の記述のうち,アンソニー(Anthony,W.)らによる「精神科リハビリテーションの基本原則」に関するものとして,正しいものを1つ選びなさい。
- 1就労支援は除外される。
- 2最大の焦点は,早期の回復を目指し退院させることである。
- 3当事者は専門職への依存を避け,自身の力で自立を目指す。
- 4様々な技法を折衷的に駆使する。
- 5専門職が主導的にリハビリテーション計画を作成する。
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✓ これが正解4様々な技法を折衷的に駆使する。
解説
アンソニーらの原則では、様々な技法を折衷的に用います。
アンソニーらは、精神科リハビリテーションの考え方を、いくつかの基本原則にまとめました。その中心にある考えは、障害のある人が自分で選んだ環境で、満足して暮らし、働き、学べるよう、本人の能力を高めることと、環境の支援を整えることの二つを進めるというものです。
正解は、様々な技法を折衷的に駆使するという記述です。基本原則の一つに、精神科リハビリテーションは特定の理論や方法に限らず、目的に合わせて多様な技法を折衷的に用いる、という考えがあります。本人の目標に役立つのであれば、技能訓練、環境の調整、職業の支援など、さまざまな方法を組み合わせて使います。
ほかの肢は、基本原則と逆の内容です。原則では、職業上の成果を高めることも重視され、就労支援は中心的な領域の一つです。焦点は退院そのものではなく、本人の能力と環境を高めることにあります。計画づくりには本人が積極的に参加することが求められます。また、必要な支援に頼ることは、長い目で見ればかえって自立につながりうる、という考えも原則に含まれています。
覚え方は、本人中心、能力と環境の両面、技法は折衷、依存も自立への一歩、と四つの柱で押さえることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1就労支援は除外される。:働くことは本人が選ぶ環境の大事な一つで、仕事の面での成果を上げることも原則の一つに数えられています。仕事に関する支援を外すという記述は、原則の中身と食い違います。
- 2最大の焦点は,早期の回復を目指し退院させることである。:原則の主な焦点は、本人の能力を高め環境の支援を整えることにあります。早く退院させること自体を最大の目的とする考え方は、基本原則には含まれていません。
- 3当事者は専門職への依存を避け,自身の力で自立を目指す。:原則では、必要な支援に頼ることがかえって将来の自立につながりうると考えます。専門職への依存を避けて自分の力だけで自立をめざすという記述は、この考え方と合いません。
- 5専門職が主導的にリハビリテーション計画を作成する。:計画づくりには、本人が主体的に参加することが重視されています。専門職が主導して計画を作るという記述は、本人の参加を大切にする基本原則に反します。
出典:第27回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題37。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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