第28回 問題1
精神医学と精神医療
次のうち,海馬が担う重要な機能として,適切なものを1つ選びなさい。
- 1随意運動の制御
- 2運動の協調性
- 3記憶の保持
- 4呼吸や心拍数の調整
- 5意欲の抑制
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✓ これが正解3記憶の保持
解説
海馬は新しい出来事を記憶として保持する働きの中心です。
脳の部位とその働きの組合せを問う問題です。海馬は側頭葉の内側にある部位で、新しく体験した出来事や覚えた事柄を記憶として定着させ、保持する働きを担っています。両側の海馬が傷つくと、昔のことは思い出せても新しいことが覚えられなくなることが知られており、アルツハイマー型認知症で早い時期から海馬の萎縮がみられ、物忘れが目立つこともこの働きと結びつけて説明されます。
ほかの肢は、それぞれ別の部位が中心となる働きです。体を思いどおりに動かす随意運動は大脳の運動野から出る経路、動きをなめらかにそろえる協調運動は小脳、呼吸や心拍のように生命を保つ働きは脳幹が主に担います。意欲や行動の抑えは、前頭葉が関わる働きとして説明されるのが一般的です。
したがって、海馬の働きとして適切なのは記憶の保持です。覚え方としては、海馬は記憶、小脳は協調運動、脳幹は呼吸と心拍、と部位と働きを一対で整理しておくと見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1随意運動の制御:手足を自分の意思で動かす随意運動は、大脳皮質の運動野から脊髄へ向かう経路が中心となって制御しています。海馬は運動の指令を出す部位ではありません。
- 2運動の協調性:複数の筋肉の動きをタイミングよく組み合わせる運動の協調性は、主に小脳の働きです。小脳が障害されると、ふらつきや動作のぎこちなさが現れます。
- 4呼吸や心拍数の調整:呼吸や心拍数の調整は、延髄などを含む脳幹が担う生命維持の働きです。脳幹の障害は命に直結することがあり、記憶に関わる海馬とは役割が異なります。
- 5意欲の抑制:物事に取り組む意欲や、衝動的な行動を抑えるといった働きは、前頭葉が関わるものとして説明されます。海馬の中心となる働きとして挙げられるものではありません。
出典:第28回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題1。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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