第36回 問題86
社会福祉調査の基礎
次の事例を読んで,S県が実施した標本調査の母集団として,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
S県内の高校に在籍している全ての生徒のうち,日常的に家族の世話や介護等を担っている高校生が,どのくらい存在するかを調べるために,標本調査を実施した。
- 1全国の高校に在籍する全生徒
- 2全国の高校に在籍する全生徒のうち,日常的に家族の世話や介護等を担っている者
- 3S県内の高校に在籍する全生徒
- 4S県内の高校に在籍する全生徒のうち,日常的に家族の世話や介護等を担っている者
- 5S県内の高校に在籍する全生徒のうち,標本となった者
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✓ これが正解3S県内の高校に在籍する全生徒
解説
母集団は、調べたい範囲であるS県内の高校の全生徒です。
この問は、標本調査の母集団と標本の区別で判断します。母集団とは、調査で明らかにしたい集団の全体、つまり結果を当てはめたい範囲のことです。標本調査では、母集団の全員を調べる代わりに、その一部(標本)を選んで調べ、その結果から母集団の様子を推し量ります。
事例の決め手は、S県内の高校に在籍している全ての生徒のうち、家族の世話や介護等を日常的に担っている高校生がどのくらい存在するかを調べる、という目的の書き方です。ここで知りたいのは、S県内の高校生全体の中で、そうした生徒がどれだけの割合・人数いるかです。家族の世話をしているかどうかは、調べてはじめて分かる性質(調べる項目)なので、母集団をその生徒だけに絞ることはできません。
したがって、母集団はS県内の高校に在籍する全生徒です。そこから標本を選んで調べ、家族の世話や介護等を担っている生徒の割合を推定します。見分け方は、結果を当てはめたい範囲が母集団、実際に選ばれて調べられた人が標本、調べて分かる性質は母集団の条件ではなく調査項目、と3つを分けて考えることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1全国の高校に在籍する全生徒:事例はS県が県内の高校生について調べるもので、全国の高校生に結果を当てはめる目的ではありません。調べたい範囲を超えて広げすぎています。
- 2全国の高校に在籍する全生徒のうち,日常的に家族の世話や介護等を担っている者:全国に広げている点が事例の範囲と合わず、さらに、家族の世話をしているかどうかは調べて分かる性質なので、それを母集団の条件にすることもできません。
- 4S県内の高校に在籍する全生徒のうち,日常的に家族の世話や介護等を担っている者:世話や介護を担う生徒だけに範囲を絞ると、全体の中でその生徒がどれほどの割合いるのかを比べる土台がなくなります。担っているかどうかは調べて初めて分かる項目で、母集団を区切る条件にはできません。
- 5S県内の高校に在籍する全生徒のうち,標本となった者:実際に選ばれて調べられた生徒は標本であり、母集団ではありません。標本の結果から推し量りたい対象である県内の全生徒が母集団です。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題86。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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