第37回 問題2
医学概論
高齢者における薬害有害事象の発生予防や発生時の対処方法に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1服用法を複雑にする。
- 2定期的に処方内容を見直す。
- 3若年者と同じ投与量にする。
- 4投与薬剤の数はなるべく8剤以下にする。
- 5新規症状が出現した場合に薬剤を追加する。
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✓ これが正解2定期的に処方内容を見直す。
解説
高齢者では、定期的に処方内容を見直すことが基本です。
高齢者は、肝臓や腎臓の働きが落ちて薬が体内に残りやすく、また複数の病気で多くの薬を飲んでいることが多いため、薬による有害な事象(薬物有害事象)が起こりやすくなります。この問は、その予防と、起きたときの対処の基本的な考え方で判断します。
予防の柱は、飲む薬の数を必要最小限にし、飲み方をできるだけ簡単にし、量を少なめから始めることです。そのうえで、病状や体の状態は時間とともに変わるので、今の処方が本人に合っているか、不要な薬が残っていないかを確かめるため、定期的に処方内容を見直すことが大切です。見直しは、薬を減らしたり、より安全な薬に替えたりするきっかけにもなります。
また、新しい症状が出たときは、まず今飲んでいる薬の副作用ではないかを疑うのが基本です。症状を抑えるために薬を足していくと、副作用に対してさらに薬が重なる悪循環(処方カスケード)につながるおそれがあります。
高齢者の薬は、少なく・簡単に・少量から、そして定期的に見直す、と覚えておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1服用法を複雑にする。:服用法が複雑になると、飲み忘れや飲み間違いが起こりやすくなります。高齢者では、服用の回数や時間をまとめるなど、飲み方をできるだけ簡単にすることが有害事象の予防につながります。
- 3若年者と同じ投与量にする。:高齢者は薬を分解したり体の外に出したりする働きが弱まり、薬が体に残りやすくなります。若い人と同じ量では効きすぎることがあるため、少なめの量から始めて様子をみるのが基本です。
- 4投与薬剤の数はなるべく8剤以下にする。:薬の数はできるだけ少なくするのが原則で、8剤までなら差し支えないという目安があるわけではありません。数が多いほど有害事象や飲み間違いが増えるため、必要最小限に絞ることが求められます。
- 5新規症状が出現した場合に薬剤を追加する。:新しい症状が出たときは、まず今の薬の副作用を疑います。症状ごとに薬を追加すると、副作用を別の薬で抑える処方の連鎖が起こり、有害事象がかえって増えるおそれがあります。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題2。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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