第37回 問題59
刑事司法と福祉
事例を読んで,次のうち,この手続きを表す名称として,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Aさん(30歳)は,自動車の大幅な速度超過により,道路交通法違反の罪で検挙された。Aさんの事件は,簡易裁判所が,検察官の請求に基づき,命令により100万円以下の罰金または科料を科することができる手続きで処理されることになった。この手続きがとられるに当たって,Aさんは,被疑者として異議がないことを示していた。
- 1起訴猶予
- 2微罪処分
- 3簡易送致手続
- 4交通反則通告制度
- 5略式手続
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✓ これが正解5略式手続
解説
簡易裁判所が検察官の請求で罰金等を命令で科す手続は、略式手続です。
刑事事件の処理には、警察、検察、裁判のそれぞれの段階に、通常の手続を簡略にする仕組みがあります。事例の決め手は、簡易裁判所が、検察官の請求に基づき、命令により100万円以下の罰金または科料を科すことができる手続であることと、Aさんが被疑者として異議がないことを示していたことです。
刑事訴訟法第461条は、簡易裁判所は、検察官の請求により、その管轄に属する事件について、公判前、略式命令で、百万円以下の罰金又は科料を科することができると定めています。この手続は、被疑者に異議がないことを確かめたうえで行われ、公開の法廷を開かずに書面で審理されます。したがって、この手続を表す名称は略式手続です。略式命令を受けた人は、不服があれば一定の期間内に正式裁判を請求することができます。
ほかの選択肢は、処理する機関や段階、対象が違います。起訴しない判断、警察段階で終える処理、少年事件の扱い、反則金による行政上の処理は、いずれも裁判所が命令で刑を科す仕組みではありません。見分け方は、誰が(警察・検察官・裁判所)どの段階で処理するかを先に確かめ、罰金を科しているのが簡易裁判所なら略式手続と結び付けることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1起訴猶予:起訴猶予は、犯罪の嫌疑があっても、検察官が犯人の性格や情状などを考えて起訴しないとする不起訴処分の一つです。裁判所が罰金などを科す手続ではないので、事例とは違います。
- 2微罪処分:微罪処分は、軽微な事件について、警察が検察官に送致せずに手続を終える処理です。警察段階で終わる扱いで、簡易裁判所が命令で罰金を科す事例の手続とは段階が違います。
- 3簡易送致手続:簡易送致は、少年事件のうち軽微なものについて、警察が簡略な書類で家庭裁判所などに送る扱いです。成人のAさんに簡易裁判所が罰金を科す手続とは、対象も中身も違います。
- 4交通反則通告制度:交通反則通告制度は、比較的軽い交通違反について反則金を納めれば刑事手続に進まない仕組みです。大幅な速度超過のような重い違反は対象外で、事例は罰金を科す刑事手続として処理されています。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題59。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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