第37回 問題78
ソーシャルワークの理論と方法
事例を読んで,A相談支援事業所のB相談支援専門員が新任のC相談支援専門員に行ったスーパービジョンについて,適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
Bは,一人暮らしのDさん(60歳)からCが不在中に電話を受けた。「担当のCに体調が良くないことを話したら,病院に付き添うから明日一緒に行こうと言ってくれたんですが,先週から保険証(マイナンバーカード)が見あたらなくて病院に行けないんです。明日も無理だと思うので断りたい」というものであった。Dさんを担当しているCに伝えると「Dさんは,昨日会った時にどうして言ってくれなかったんだろう」と落ち込み,どうしたらよいかわからない様子だった。Bは,Cにスーパービジョンを行った。
- 1「DさんがCに話せなかったことをCはどう思っていますか」
- 2「Dさんの安心のために保険証(マイナンバーカード)を一緒に探してあげてください」
- 3「Cのような悩みはよくあることなので,あまり気にしすぎないようにしましょう」
- 4「Dさんと約束した時の状況について詳しく聞かせてもらえますか」
- 5「私が対応した類似事例を話すので,同じように対応してみましょう」
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✓ これが正解1「DさんがCに話せなかったことをCはどう思っていますか」
✓ これが正解4「Dさんと約束した時の状況について詳しく聞かせてもらえますか」
解説
Cの受け止め方を尋ね、約束した時の状況を詳しく聴く関わりが適切です。
2つ選ぶ問です。スーパービジョンは、経験のあるスーパーバイザーが、スーパーバイジーの成長と支援の質の向上をめざして行う関わりで、教育的・支持的・管理的な機能があります。事例の決め手は、新任のCが、Dさんはどうして言ってくれなかったんだろうと落ち込み、どうしたらよいかわからない様子でいることです。Bに求められるのは、Cが自分の関わりを振り返り、Dさんの思いに気付けるよう支えることです。
適切な一つ目は、DさんがCに話せなかったことをCはどう思っていますかという問いかけです。C自身の受け止め方や感情を言葉にしてもらうことで、落ち込んでいるCを支えつつ、Cが自分の関わりを見つめ直すきっかけになります。適切な二つ目は、Dさんと約束した時の状況について詳しく聞かせてもらえますかという問いかけです。どのような流れで付き添いの約束になったのかを具体的に振り返ることで、Dさんが保険証のことを言い出しにくかった事情などに、C自身が気付けるようになります。
見分け方は、スーパーバイジーに考えさせ、気付きを引き出す問いかけを選び、答えや手順をこちらから与える関わりや、悩みを軽く扱う関わりを外すことです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2「Dさんの安心のために保険証(マイナンバーカード)を一緒に探してあげてください」:保険証を一緒に探すよう指示するのは、Dさんへの具体的な対応を先に与えるもので、Cが自分の関わりを振り返る機会になりません。Cが落ち込んでいる理由や、気付くべき点に向き合う助言ではありません。
- 3「Cのような悩みはよくあることなので,あまり気にしすぎないようにしましょう」:よくある悩みだから気にしすぎないようにと伝えると、Cの落ち込みを軽く扱うことになり、振り返りの機会も失われます。支持的な関わりは、気持ちを受け止めたうえで考えを深める手助けをすることです。
- 5「私が対応した類似事例を話すので,同じように対応してみましょう」:自分が対応した類似事例をそのまま当てはめるよう求めるのは、Dさん一人ひとりの事情を理解する視点を欠いています。Cが自分で考えて気付く過程も省かれ、スーパービジョンの趣旨に合いません。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題78。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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