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第38回 問題56

障害者福祉

視覚障害のあるAさんは,出張に際して用務地に近いホテルを予約した。用務が終わり,ホテルにチェックインしようとしたところ,チェックインは,備え付けのタブレット端末で行うよう言われた。しかし,視覚障害のあるAさんは,タッチパネル式のタブレット端末を利用することができずに困ってしまった。

次の記述のうち,視覚障害者がホテルを利用できるよう,予めの準備も含め,ホテルが法令に基づき行うことが求められる対応として,適切なものを2つ選びなさい。

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✓ これが正解3タブレット端末でのチェックイン以外のチェックイン方法を合理的配慮の提供として利用できるようにしておく。

✓ これが正解5視覚障害を含む障害のある利用者への適切なサービス提供のために,従業員向けの研修に努める。(注)1 「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」とは,「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律」のことである。2 「バリアフリー法」とは,「高齢者,障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」のことである。

解説

別のチェックイン方法を合理的配慮として用意し、従業員研修に努めるのが適切です。

この事例の決め手は、視覚障害のあるAさんがタッチパネル式のタブレット端末を使えず、ホテルでチェックインできずに困っている場面です。設問は、予めの準備も含めて、ホテルが法令に基づいて求められる対応を問うており、事業者に課された合理的配慮の提供と、環境の整備の2つの考え方で判断します。この問は適切なものを2つ選ぶ問です。

1つ目は、タブレット端末以外のチェックインの方法を、合理的配慮の提供として利用できるようにしておく対応です。障害者差別解消法第8条第2項は、障害者から社会的障壁を取り除いてほしいという意思の表明があり、負担が重すぎないときは、事業者が必要かつ合理的な配慮をしなければならないと定めています。2024年(令和6年)4月から、事業者の合理的配慮の提供は努力義務から義務になりました。フロントでの口頭の対応など、代わりの方法を用意しておくことがこれにあたります。

2つ目は、障害のある利用者に適切なサービスを提供するため、従業員向けの研修に努める対応です。同法第5条は、事業者が合理的配慮を的確に行うため、施設の構造の改善や設備の整備、関係職員に対する研修などの環境の整備に努めると定めています。

個別の場面での対応が合理的配慮、前もっての準備が環境の整備、と分けて覚えると、法令の求める範囲を超えた対応と区別しやすくなります。

ほかの選択肢はなぜ違うのか

出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題56。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。

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