第38回 問題58
刑事司法と福祉
刑法上の刑罰に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
- 1付加刑として罰金,科料及び没収の3種が定められている。
- 2有期拘禁刑は,1年以上20年以下の期間と定められている。
- 3拘禁刑は,刑事施設に拘置して所定の作業を行わせると定められている。
- 4罰金の金額は,1万円以上とされる。
- 5罰金を完納することができない者は,所定の期間,協力雇用主の下での労働を義務づけられる。
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✓ これが正解4罰金の金額は,1万円以上とされる。
解説
刑法第15条で、罰金は1万円以上とされています。
この問は、2025年(令和7年)6月から施行された拘禁刑を含む、刑法の刑罰の種類と中身を問うものです。主刑と付加刑の区別、拘禁刑の期間と内容、罰金を払えないときの扱いを、条文の言葉で押さえているかが判断の軸です。
正しいのは、罰金の金額は1万円以上とされるという記述です。刑法第15条は、罰金は1万円以上とすると定め、ただし刑を減軽する場合には1万円未満に下げられるとしています。罰金と似た財産刑に科料がありますが、科料は1000円以上1万円未満の軽い刑で、金額の帯で罰金と区別されます。
刑法第9条は、死刑、拘禁刑、罰金、拘留、科料を主刑とし、没収を付加刑としています。拘禁刑は、懲役と禁錮を一つにまとめた刑で、刑事施設に拘置し、改善更生を図るために必要な作業を行わせたり、必要な指導を行ったりできる、という形になりました。作業を義務とした懲役の時代と比べ、一人ひとりの特性に応じて作業と指導を組み合わせられるようになった点が大きな違いです。
刑罰の問は、主刑が5種類で付加刑は没収だけ、罰金は1万円以上、有期拘禁刑は1月以上20年以下、という数字の組み合わせで覚えておくと、数字や種類を入れ替えた記述に気づけます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1付加刑として罰金,科料及び没収の3種が定められている。:刑法第9条は、付加刑を没収だけとしています。罰金と科料は、死刑・拘禁刑・拘留とともに主刑に分類されているため、付加刑を3種とする記述は誤りです。
- 2有期拘禁刑は,1年以上20年以下の期間と定められている。:刑法第12条第1項は、有期拘禁刑を1月以上20年以下と定めています。下限を1年以上とする記述は条文と合いません。
- 3拘禁刑は,刑事施設に拘置して所定の作業を行わせると定められている。:刑法第12条は、拘禁刑を刑事施設に拘置すると定めたうえで、改善更生のために必要な作業を行わせ、または必要な指導を行うことができるとしています。所定の作業を行わせると一律に定めた懲役の書き方とは異なります。
- 5罰金を完納することができない者は,所定の期間,協力雇用主の下での労働を義務づけられる。:刑法第18条は、罰金を完納できない者を、1日以上2年以下の期間、労役場に留置すると定めています。協力雇用主のもとで働くことを義務づける仕組みではありません。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題58。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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