過去問解きまくり研究所 ホーム

第38回 問題73

ソーシャルワークの理論と方法

事例を読んで,次の記述のうち,特別養護老人ホームのB生活相談員(社会福祉士)が行う支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

Aさん(80歳,女性,要介護4)は,半年前に特別養護老人ホームに入居した。脳梗塞の後遺症により左半身に麻痺があり,アルツハイマー型認知症と診断されている。1年前に長男を亡くし,麻痺で身体が思うように動かず,長男の看病を十分にできなかったことを今でも悔やんでは涙ぐんでいる。Aさんは若い頃は生け花の師範として活動しており,居室には作品の写真が飾ってある。ある日,AさんはBに「施設の入口にお花を飾ったら華やかになるわよ。私も昔は,三ツ星ホテルのロビーに花を生けていたのよ」と話した。

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✓ これが正解4Aさんに「ホテルで花を生けていた時のことを聞かせてください」と問いかける。

解説

ホテルで花を生けていた頃の話を聞く問いかけが、Aさんの強みを生かします。

この事例の決め手は、Aさんが自分からB生活相談員に、施設の入口に花を飾ったら華やかになる、昔は三ツ星ホテルのロビーに花を生けていた、と話したことです。Aさんは若い頃に生け花の師範として活動し、居室にも作品の写真を飾っています。一方で、長男を亡くした悲しみや、麻痺のため看病が十分にできなかった悔いも抱えています。入居後の生活の中で、本人の生活歴と意欲をどう支援に生かすかが問われています。

最も適切なのは、ホテルで花を生けていた時のことを聞かせてほしいとAさんに問いかけることです。Aさんにとって生け花は、誇りを持って取り組んできた仕事であり、自分らしさの中心にあるものです。その経験を語ってもらうことで、Aさんの強みや大切にしてきたことを知ることができ、Aさん自身も自分の力を思い出すきっかけになります。そこから、施設の入口に花を飾る活動にAさんがどんな形で関われるかを、本人と一緒に考えていくことができます。認知症や麻痺があっても、本人の思いや経験を出発点にすることが、主体的な暮らしを支える第一歩になります。

施設での支援では、本人が自分から語った関心ごとを、職員が代わりに片づけたり話をそらしたりせず、まず本人の言葉で詳しく聞く、と覚えておくと選びやすくなります。

ほかの選択肢はなぜ違うのか

出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題73。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。

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