第38回 問題104
保健医療と福祉
保健所及び市町村保健センターに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1保健所は三次医療圏,市町村保健センターは二次医療圏を勘案して設置しなければならない。
- 2保健所は二次予防,市町村保健センターは一次予防と役割分担がなされている。
- 3保健所は対人保健,市町村保健センターは対物保健と役割分担がなされている。
- 4都道府県の設置する保健所は,市町村の求めに応じて技術的助言を行うことができる。
- 5保健所及び市町村保健センターの所長は,医師でなければならない。
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✓ これが正解4都道府県の設置する保健所は,市町村の求めに応じて技術的助言を行うことができる。
解説
都道府県の保健所は、市町村の求めに応じ技術的助言を行うことができる。
保健所と市町村保健センターは、どちらも地域保健法に定めがある地域保健の拠点ですが、設置する主体と役割が異なります。保健所は都道府県・指定都市・中核市などが設置し、広域的・専門的・技術的な拠点として、食品衛生や環境衛生、感染症対策、難病対策などを担います。市町村保健センターは市町村が設置することができる施設で、健康相談・保健指導・健康診査など、住民に身近な保健サービスを行います。
地域保健法第8条は、都道府県の設置する保健所が、所管区域内の市町村の地域保健対策の実施に関し、市町村相互間の連絡調整を行い、市町村の求めに応じて技術的助言、市町村職員の研修その他必要な援助を行うことができると定めています。この内容を述べた記述が最も適切です。
ほかの記述は、この役割分担を取り違えています。保健所の所管区域は、医療法の二次医療圏などを参酌して設定され、市町村保健センターは医療圏を勘案して設置しなければならない施設ではありません。役割分担は予防の段階で分かれるものでも、保健所が対人・センターが対物というものでもなく、むしろ住民に身近な対人保健サービスはセンター、広域的な対物保健は保健所が担う傾向にあります。所長については、保健所長は原則として医師とされていますが、市町村保健センターの長に医師の資格は求められていません。
保健所は広域・専門・技術、市町村保健センターは身近・対人、と覚えると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1保健所は三次医療圏,市町村保健センターは二次医療圏を勘案して設置しなければならない。:医療圏の考え方を持ち出す点がずれています。保健所の受け持つ区域を決めるときに参考にするのは都道府県内のより小さな単位の医療圏で、県全体を範囲とする医療圏ではありません。身近な保健センターの方は、市町村が置くかどうかを選べる施設です。
- 2保健所は二次予防,市町村保健センターは一次予防と役割分担がなされている。:保健所と市町村保健センターの役割は、広域的・専門的な業務か住民に身近な業務か、で分かれています。二次予防と一次予防という予防の段階で業務を分けているわけではありません。
- 3保健所は対人保健,市町村保健センターは対物保健と役割分担がなされている。:住民と直接向き合う健康相談や健康診査などの対人保健サービスは、市町村保健センターが主に担います。食品衛生や環境衛生などの対物保健は保健所が担うので、記述は役割を逆にしています。
- 5保健所及び市町村保健センターの所長は,医師でなければならない。:保健所長は原則として医師であることが求められますが、市町村保健センターの長には医師の資格要件はありません。両方とも医師でなければならないとする点が誤りです。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題104。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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