平成29年度 春期 午前Ⅱ 問2
システム監査
監査証拠の説明
システム監査における監査証拠の説明のうち,適切なものはどれか。
- ア監査人が計画した監査手続を記載した資料であり,監査人はその資料に基づいて監査を実施しなければならない。
- イ監査人が収集又は作成する資料であり,監査報告書に記載する監査意見や指摘事項は,その資料によって裏付けられていなければならない。
- ウ機密性が高い情報が含まれている資料であり,監査人は監査報告書の作成後,速やかに全てを処分しなければならない。
- エ被監査部門が監査人に提出する資料であり,監査人が自ら作成する資料は含まれない。
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✓ これが正解イ監査人が収集又は作成する資料であり,監査報告書に記載する監査意見や指摘事項は,その資料によって裏付けられていなければならない。
解説
監査証拠は、監査意見や指摘事項を裏付けるための資料です。
監査証拠は、誰が用意した資料かではなく、何を裏付けるための資料かを軸に考えます。監査人が監査手続を実施して集めた資料も、監査人自身が分析や検証をして作った資料も、監査報告書に書く監査意見や指摘事項の根拠になるものであれば監査証拠に当たります。言い換えると、報告書に書く意見や指摘は、すべて何らかの監査証拠で裏付けられていなければなりません。裏付けのない意見は、監査人の感想と区別がつかなくなるからです。監査証拠は意見の裏付け、と結び付けて覚えておくと、資料の出どころや扱い方で説明している選択肢に迷わずに済みます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア監査人が計画した監査手続を記載した資料で…:これから実施する監査手続を書き出した資料は、監査計画の側の文書です。監査の進め方を定めるものであり、実施した結果として集め、意見を裏付けるために使う資料とは役割が異なります。
- ウ機密性が高い情報が含まれている資料であり…:監査で集めた資料は、監査調書としてまとめ、後から監査の経過や判断の根拠を確かめられるよう一定期間保管するものです。報告書を作った直後に全てを処分してしまうと、意見の根拠を後から示せなくなります。
- エ被監査部門が監査人に提出する資料であり,…:被監査部門から受け取った資料だけでなく、監査人が自ら観察や分析をして作った資料も、意見を裏付けるものであれば監査証拠になります。監査人が作成した資料を外すという限定は誤りです。
この問題の用語
- 監査証拠監査人の判断を裏づける記録のこと。被監査部門から入手した運用記録などがこれで、監査人自身が作った計画書や議事録は含みません。
- 監査報告書監査の結果と意見、改善の勧告をまとめて伝える文書のことです。原案は相手と意見交換し、事実誤認がないかを確かめます。
- 監査調書監査人が行った監査手続の、実施記録のことをいいます。監査意見の根拠となるもので、基準書をまとめたものではありません。
- システム監査情報システムが安全で正しく使われているかを、担当から独立した立場で点検し報告すること。直すべきところを見つけて伝えます。
- 監査人システム監査を行う人。作る側や運用する側から独立した立場を保ち、自分では作らずに規程や記録を見て確かめます。
- 監査意見監査人が調べた結果として述べる、判断のことをいいます。監査手続の実施記録である監査調書が、その根拠になります。
- 指摘事項監査で見つかった、直すべき点として報告書に書かれる事柄です。決まりどおりに行われていた行為は、ここには含まれません。
- 機密性許された人だけが情報に触れられる状態が保たれていること。完全性・可用性と並ぶ、情報セキュリティの三つの性質の一つです。
出典:平成29年度 春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問2
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前Ⅱ 問7:システム監査基準に関する問題(監査調書)
- 令和6年度 秋期 午前Ⅱ 問7:監査報告書に関する問題(指摘事項)
- 令和5年度 秋期 午前Ⅱ 問5(監査報告書)
- 令和5年度 秋期 午前Ⅱ 問1:監査報告書に記載すべきもの(機密性)
- 平成30年度 春期 午前Ⅱ 問5:監査証拠に関する問題(監査意見)
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