令和2年度 10月 午前Ⅱ 問23
システム構成要素
フェールオーバ処理の順序
HA(High Availability)クラスタリングにおいて,本番系サーバのハートビート信号が一定時間にわたって待機系サーバに届かなかった場合に行われるフェールオーバ処理の順序として,適切なものはどれか。
〔フェールオーバ処理ステップ〕
(1) 待機系サーバは,本番系サーバのディスクハートビートのログ(書込みログ)をチェックし,ネットワークに負荷が掛かってハートビート信号が届かなかったのかを確認する。
(2) 待機系サーバは,本番系サーバの論理ドライブの専有権を奪い,ロックを掛ける。
(3) 本番系サーバと待機系サーバが接続しているスイッチに対して,待機系サーバから,接続しているネットワークが正常かどうかを確認する。
(4) 本番系サーバは,OSに対してシャットダウン要求を発行し,自ら強制シャットダウンを行う。
- ア(1),(2),(3),(4)
- イ(2),(3),(1),(4)
- ウ(3),(1),(2),(4)
- エ(3),(2),(1),(4)
答えと解説を見る
✓ これが正解ウ(3),(1),(2),(4)
解説
ネットワーク確認、ディスクのログ確認、専有権の奪取、本番系の停止の順です。
ハートビート信号が届かないとき、待機系は、本番系が本当に止まったのか、通信経路の問題で届かないだけなのかを見極めてから引き継ぐ必要があります。まず(3)で、待機系から自分の接続するネットワークが正常かを確かめます。次に(1)で、ネットワークとは別の経路であるディスクのハートビートのログを調べ、本番系がまだ書込みを続けていないかを確認します。本番系が止まったと判断してから(2)で論理ドライブの専有権を奪ってロックを掛け、最後に(4)で、本番系が自ら強制シャットダウンします。確認を済ませてから引き継ぐ順にしないと、両方のサーバが同時にディスクへ書き込む危険がある点に着目すると判断できます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア(1),(2),(3),(4):ディスクのログ確認から始め、専有権を奪ったあとでネットワークを確認する順です。待機系自身のネットワークに異常がないかを確かめる前にドライブを奪っているので、待機系の側の異常で信号を受け取れなかっただけの場合でも切り替えてしまうおそれがあります。
- イ(2),(3),(1),(4):最初に論理ドライブの専有権を奪っており、ネットワークやディスクのログで本番系の状態を確かめる前に引継ぎを始めています。本番系が正常に動いていた場合、二つのサーバが同時にドライブを使う危険があります。
- エ(3),(2),(1),(4):ネットワークの確認の次に専有権を奪い、そのあとでディスクのログを確認しています。本番系がまだ書込みを続けているかを確かめる前にドライブを奪うので、ログを確認する意味がなくなります。
この問題の用語
- クラスタリング似ているもの同士を自動でまとめ、集まりを見つける手法です。大量のデータから新しい傾向を導き出すときに使います。
- 待機系ふだんは処理を担当せず、故障に備えて控えている側のことです。動かしておくか止めておくかで、切替えの速さが変わります。
- ログいつ誰が何をしたかを、機器やソフトウェアが自動で残していく記録です。あとから出来事をたどれるので、事故の調査や不正の発見に使われます。
出典:令和2年度 10月 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問23
同じ用語が出る問題
- 令和6年度 秋期 午前Ⅱ 問23:負荷分散方式の説明(待機系)
- 令和5年度 秋期 午前Ⅱ 問19:DRDoSに関する問題(ログ)
- 平成27年度 春期 午前Ⅱ 問23:シェアードエブリシングの説明(クラスタリング)
- 平成27年度 春期 午前Ⅱ 問19:データウェアハウスに関する問題(クラスタリング)
- 平成21年度 春期 午前Ⅱ 問20:待機系に切り替わる契機(待機系)
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