第40回 午前 問19
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
脂肪酸に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1短鎖脂肪酸は、炭素数8~10の脂肪酸である。
- 2α─リノレン酸は、オレイン酸よりも融点が高い。
- 3パルミチン酸は、ステアリン酸よりも融点が高い。
- 4リノール酸は、n─3系不飽和脂肪酸である。
- 5イコサペンタエン酸(エイコサペンタエン酸)から、ロイコトリエンが生じる。
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✓ これが正解5イコサペンタエン酸(エイコサペンタエン酸)から、ロイコトリエンが生じる。
解説
イコサペンタエン酸から、5系列のロイコトリエンが生じます。
脂肪酸は炭素数、二重結合の数と位置で性質が決まります。炭素数が同じなら二重結合が多いほど融点は低く、二重結合の数が同じなら炭素数が多いほど融点は高くなります。また、二重結合の位置によりn-3系とn-6系に分けられ、どちらも体内で合成できない必須脂肪酸を含みます。
イコサペンタエン酸(EPA)は炭素数20のn-3系多価不飽和脂肪酸で、アラキドン酸と同じくイコサノイド(エイコサノイド)の材料になります。リポキシゲナーゼの経路でロイコトリエン(5系列)が、シクロオキシゲナーゼの経路でプロスタグランジンやトロンボキサン(3系列)がつくられます。したがって、EPAからロイコトリエンが生じるという記述が当てはまります。
ほかの記述を見ると、短鎖脂肪酸は炭素数がおおむね6以下で、炭素数8〜10は中鎖脂肪酸です。α-リノレン酸は二重結合を3つもつので、1つのオレイン酸より融点は低くなります。パルミチン酸(炭素数16)はステアリン酸(炭素数18)より融点が低く、リノール酸はn-6系です。融点は二重結合が増えると下がり、炭素鎖が長いと上がる、の二つの規則で比べると判断できます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1短鎖脂肪酸は、炭素数8~10の脂肪酸である。:炭素数8〜10の脂肪酸は中鎖脂肪酸に分類されます。短鎖脂肪酸は酢酸や酪酸のように炭素数がおおむね6以下のもので、腸内細菌が食物繊維を発酵してつくるものとしても知られています。
- 2α─リノレン酸は、オレイン酸よりも融点が高い。:α-リノレン酸は炭素数18で二重結合が3つ、オレイン酸は炭素数18で二重結合が1つです。二重結合が多い方が融点は低いので、α-リノレン酸の方が融点は低くなります。
- 3パルミチン酸は、ステアリン酸よりも融点が高い。:パルミチン酸は炭素数16、ステアリン酸は炭素数18で、どちらも二重結合をもたない飽和脂肪酸です。炭素鎖が短いパルミチン酸の方が融点は低く、記述は逆です。
- 4リノール酸は、n─3系不飽和脂肪酸である。:リノール酸は、メチル基側の端から数えて6番目の炭素に最初の二重結合があるn-6系の多価不飽和脂肪酸です。n-3系の代表はα-リノレン酸やイコサペンタエン酸です。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午前(厚生労働省)問19(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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