第40回 午前 問25
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
栄養・代謝に関与するホルモン・サイトカインに関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1コルチゾールは、血糖値を低下させる。
- 2バソプレシンは、水の再吸収を抑制する。
- 3アルドステロンは、Na+の再吸収を抑制する。
- 4セクレチンは、膵液の分泌を抑制する。
- 5アディポネクチンは、内臓脂肪の蓄積により減少する。
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✓ これが正解5アディポネクチンは、内臓脂肪の蓄積により減少する。
解説
アディポネクチンは、内臓脂肪がたまると分泌が減ります。
アディポネクチンは脂肪細胞から分泌される生理活性物質(アディポサイトカイン)の一つで、インスリンの効きをよくする(インスリン感受性を高める)働きや、動脈硬化を抑える働きをもちます。ほかのアディポサイトカインの多くが肥満で増えるのに対し、アディポネクチンは内臓脂肪が蓄積すると分泌が減ります。そのため、内臓脂肪型肥満ではインスリン抵抗性や動脈硬化が進みやすくなります。したがって、この記述が当てはまります。
ほかのホルモンの働きを確かめると、副腎皮質から出るコルチゾールは糖新生を促して血糖値を上げます。下垂体後葉から出るバソプレシン(抗利尿ホルモン)は腎臓の集合管で水の再吸収を促し、尿量を減らします。副腎皮質から出るアルドステロンは腎臓の遠位尿細管・集合管でNa+の再吸収を促し、K+の排泄を増やします。十二指腸から出るセクレチンは、膵臓から重炭酸イオンを多く含む膵液の分泌を促します。
肥満で増えるのはTNF-αやレプチンなど、減るのはアディポネクチン、と逆向きの代表として覚えておくと、メタボリックシンドロームの病態の問いにも使えます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1コルチゾールは、血糖値を低下させる。:コルチゾールは、肝臓での糖新生を促し、筋肉などでの糖の利用を抑えて、血糖値を上げる方向に働くホルモンです。ストレス時に分泌が増え、血糖値を下げることはありません。
- 2バソプレシンは、水の再吸収を抑制する。:バソプレシンは抗利尿ホルモンとも呼ばれ、腎臓の集合管に水チャネルを増やして、水の再吸収を高めます。体液が濃くなったときに分泌され、尿を濃くして量を減らします。
- 3アルドステロンは、Na+の再吸収を抑制する。:アルドステロンは鉱質コルチコイドで、腎臓の遠位尿細管や集合管でナトリウムイオンの再吸収を高め、カリウムイオンの排泄を促します。再吸収を抑えるのではありません。
- 4セクレチンは、膵液の分泌を抑制する。:セクレチンは、酸性の胃内容物が十二指腸に入ると分泌される消化管ホルモンです。膵臓から重炭酸イオンに富む膵液を出させて胃酸を中和するので、分泌を抑えるのではなく促します。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午前(厚生労働省)問25(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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