第40回 午後 問150
公衆栄養学
行政栄養士に関する問題
行政栄養士が行う発災前および発災後における栄養・食生活支援に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
- 1管内の高齢者施設に対して、最低1日分の食料および飲料水の備蓄を指導する。
- 2家庭における食料備蓄を推進する。
- 3避難所の巡回栄養相談等の専門的な活動を行う。
- 4日本栄養士会災害支援チーム(JDA─DAT)と連携して被災地での栄養・食生活支援を行う。
- 5平常時から関係機関とのネットワークを構築しておく。
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✓ これが正解1管内の高齢者施設に対して、最低1日分の食料および飲料水の備蓄を指導する。
解説
高齢者施設の備蓄を最低1日分とする指導は誤りです。
行政栄養士(都道府県や市町村などで働く管理栄養士・栄養士)は、災害に備えた平常時の準備と、発災後の被災者への栄養・食生活支援の両方を担います。判断の軸は、外からの支援が届くまでの期間を、施設や家庭が自分の備えでしのげるかどうかです。
大きな災害では、道路の寸断や物流の混乱で、外からの食料が届くまでに数日かかることがあります。高齢者施設には、かむ力やのみ込む力が弱い人や治療食が必要な人もいるため、利用者に合った食料と飲料水を数日分以上備えておく必要があります。最低1日分という目安では発災直後の数日間をしのげず、行政栄養士の指導の内容として誤りです。
一方、家庭での食料備蓄を勧めること、避難所を回って栄養相談を行うこと、日本栄養士会災害支援チーム(JDA─DAT)と連携すること、平常時から関係機関とのつながりを作っておくことは、どれも行政栄養士の役割に合っています。災害支援は、発災前の備えと発災後の支援を組にして覚えると整理しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2家庭における食料備蓄を推進する。:発災直後は行政の支援がすぐには届かないため、各家庭が自分で食料や水を備えておくことが基本になります。住民に家庭での備蓄を呼びかけるのは、発災前に行政栄養士が行う取組として適切です。
- 3避難所の巡回栄養相談等の専門的な活動を行う。:避難所では食事が炊き出しや配給に偏り、持病のある人や高齢者の栄養状態が悪くなりやすくなります。避難所を回って栄養相談などの専門的な支援を行うことは、発災後の行政栄養士の大切な役割です。
- 4日本栄養士会災害支援チーム(JDA─DAT)と連携して被災地での栄養・食生活支援を行う。:日本栄養士会災害支援チーム(JDA─DAT)は、被災地で栄養・食生活の支援にあたる管理栄養士・栄養士のチームです。行政栄養士が連携して支援の手を広げることは、発災後の取組として合っています。
- 5平常時から関係機関とのネットワークを構築しておく。:災害が起きてから関係機関を探していては支援が遅れます。平常時から保健・医療・福祉の機関や給食施設などと顔の見える関係を作っておくことは、発災前の備えとして適切です。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午後(厚生労働省)問150(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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