令和2年度 10月 午前Ⅱ 問17
情報セキュリティ
楕円曲線暗号に関する記述
楕円曲線暗号に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- アAESに代わる共通鍵暗号方式としてNISTが標準化している。
- イ共通鍵暗号方式であり,ディジタル署名にも利用されている。
- ウ公開鍵暗号方式であり,TLSにも利用されている。
- エ素因数分解問題の困難性を利用している。
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✓ これが正解ウ公開鍵暗号方式であり,TLSにも利用されている。
解説
楕円曲線暗号は公開鍵暗号方式で、TLSにも使われています。
楕円曲線暗号は、楕円曲線上の点の演算をもとにした公開鍵暗号方式です。その安全性は、素因数分解とは別の、楕円曲線上の点の演算に関する問題を解くことが難しい点に基づいています。RSAと比べて短い鍵長で同程度の安全性が得られるとされ、計算量や記憶容量を抑えたい組込み機器にも向いています。TLSでも、鍵の交換やデジタル署名に楕円曲線暗号を使う方式が広く利用されています。公開鍵か共通鍵か、どの数学的な難しさに頼るかの2点で選択肢を見分けるのが近道です。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- アAESに代わる共通鍵暗号方式としてNIS…:楕円曲線暗号は公開鍵暗号方式なので、AESに代わる共通鍵暗号方式という位置付けは成り立ちません。AESは共通鍵暗号方式の標準として使われ続けています。
- イ共通鍵暗号方式であり,ディジタル署名にも…:楕円曲線暗号を使ったデジタル署名はありますが、楕円曲線暗号自体は共通鍵暗号方式ではなく公開鍵暗号方式です。署名に使えるのは、秘密鍵と公開鍵を分けて持つ仕組みだからです。
- エ素因数分解問題の困難性を利用している。:素因数分解の難しさを安全性の根拠にしているのは、RSAです。楕円曲線暗号は、楕円曲線上の点の演算に関する、それとは別の問題の難しさを根拠にしています。
この問題の用語
- 楕円曲線暗号短い鍵の長さで、高い安全性を得られる公開鍵暗号の方式です。同じ強さで比べると、RSA暗号より鍵が短くて済みます。
- 公開鍵暗号方式「公開鍵暗号」と同じ意味です。配ってよい鍵と隠す鍵を対にして使うやり方を、手順として言うときにこの言い方をします。
- TLS通信の中身を途中で読まれたり書き換えられたりしないよう、暗号にして届ける取り決め。つないだ相手が本物かも確かめます。
- AES暗号化と復号に同じ鍵を使う共通鍵暗号の方式で、決まった長さごとに区切って処理します。処理が速く、通信やデータ本体の暗号化に使われます。
- 共通鍵暗号方式「共通鍵暗号」と同じ意味です。同じ鍵を送る側と受け取る側の双方が持つやり方を、手順として言うときにこの言い方をします。
- ディジタル署名デジタル署名の古い書き方で、指しているものは同じです。改ざんを見つけられるだけで、改変そのものを防ぐ力はありません。
- 素因数分解大きな数を、かけ合わせのもとになる素数へ分けることです。これが非常に難しいことを利用したのが、RSA暗号です。
出典:令和2年度 10月 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問17
同じ用語が出る問題
- 令和6年度 秋期 午前Ⅱ 問15:楕円曲線暗号に関する記述(素因数分解)
- 令和4年度 秋期 午前Ⅱ 問18:ネットワーク層に関する問題(TLS)
- 平成30年度 春期 午前Ⅱ 問19:共通鍵暗号方式に関する問題(楕円曲線暗号)
- 平成27年度 春期 午前Ⅱ 問19:テンペストに関する問題(ディジタル署名)
- 平成25年度 春期 午前Ⅱ 問19:共通鍵暗号方式に関する問題(AES)
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