令和6年度 秋期 午前Ⅱ 問20
法務
専用実施権に関する問題
A社は,保有する特許の専用実施権を,組込み機器システムを開発して販売するB社に許諾した。A社又はB社が受ける制限に関する説明のうち,適切なものはどれか。ここで,B社の専用実施権は特許原簿に設定登録されるものとする。
- アA社は,B社に許諾した権利と同じ範囲でしか,B社以外には専用実施権を許諾することができない。
- イA社は,B社に許諾した権利の範囲において当該特許を使用できなくなる。
- ウB社は,A社と競合する自社の組込み機器システムの販売を止めなくてはならない。
- エB社は,A社の特許を使うB社の組込み機器システムの独占販売権を,A社に対して与えなくてはならない。
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✓ これが正解イA社は,B社に許諾した権利の範囲において当該特許を使用できなくなる。
解説
専用実施権を許諾すると、その範囲では特許権者も実施できません。
専用実施権は、特許権者が定めた範囲で、その特許発明を独占的に実施できる権利です。特許原簿に設定登録されると効力が生じ、その範囲の中では、許諾を受けた B 社だけが実施できることになります。独占的という性質から、許諾した範囲では特許権者である A 社自身も、その特許を使うことができなくなります。ここが、特許権者も実施を続けられる通常実施権との大きな違いです。選択肢を見るときは、制限を受けるのが A 社と B 社のどちらで、何についての制限なのかを確かめます。専用実施権は範囲を区切って独占を渡す権利で、渡した範囲では元の持ち主も使えない、と覚えておくと判断できます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- アA社は,B社に許諾した権利と同じ範囲でし…:専用実施権は独占的な権利なので、A 社は B 社に許諾した範囲と重なる範囲を、他社に重ねて専用実施権として許諾することはできません。同じ範囲でしか許諾できないという説明は、制限の向きが逆です。
- ウB社は,A社と競合する自社の組込み機器シ…:専用実施権の許諾を受けたことによって、B 社が A 社と競合する自社製品の販売を止める義務が生じるわけではありません。権利の性質から当然に生じる制限ではなく、説明は誤りです。
- エB社は,A社の特許を使うB社の組込み機器…:専用実施権の許諾を受けた B 社が、自社製品の独占販売権を A 社に与えなければならないという決まりはありません。そうした取決めは当事者の契約次第で、権利の性質から生じる制限ではありません。
出典:令和6年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問20
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