2024年9月 (特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問39
タックスプランニング
会社と役員間の取引に係る所得税・法人税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1役員が会社の所有する土地を適正な時価よりも低い価額で譲り受けた場合、適正な時価と譲受価額との差額相当額が、その役員の雑所得の収入金額に算入される。
- 2役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、原則として、通常の賃貸料相当額が、その役員の給与所得の収入金額に算入される。
- 3会社が役員の所有する土地を適正な時価よりも低い価額で譲り受けた場合、適正な時価と譲受価額との差額相当額が、その会社の所得金額の計算上、益金の額に算入される。
- 4会社が役員からの借入金について債務免除を受けた場合、その債務免除を受けた金額が、その会社の所得金額の計算上、益金の額に算入される。
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✓ これが正解1役員が会社の所有する土地を適正な時価よりも低い価額で譲り受けた場合、適正な時価と譲受価額との差額相当額が、その役員の雑所得の収入金額に算入される。
解説
役員が会社の土地を時価より安く買った差額は、給与所得になります。
会社と役員の間の取引では、時価との差額などの経済的利益が、役員の側では給与として、会社の側では益金として扱われることが多くあります。この問は、どちらの側にどの所得・益金が生じるかを区別できるかを問うものです。
役員が会社の社宅に無償で住む場合は、原則として通常の賃貸料相当額が経済的利益として給与所得の収入金額に算入されます。会社が役員から時価より低い価額で土地を買い取った場合、時価との差額は無償による資産の譲受けとして受贈益となり、益金の額に算入されます。会社が役員からの借入金の免除を受けた場合も、債務免除益として益金の額に算入されます。
一方、役員が会社の土地を時価より低い価額で買った場合の差額は、役員という地位に基づいて受けた経済的利益なので、雑所得ではなく給与所得(役員給与)の収入金額に算入されます。したがって、この記述が不適切です。
見分け方として、会社から役員へ利益が移るときは役員の給与所得、役員から会社へ利益が移るときは会社の益金、と利益の流れの向きで整理すると判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2役員が会社の所有する社宅に無償で居住して…:社宅をただで借りて住むことで役員が受ける利益は、原則として通常の賃貸料に相当する額が給与所得の収入金額になります。家賃を払わない分を報酬として受け取ったのと同じに扱うためで、記述は適切です。
- 3会社が役員の所有する土地を適正な時価より…:法人が時価より低い価額で資産を譲り受けると、時価との差額は無償で資産を譲り受けた部分の収益として益金に算入されます。役員から安く買った土地も同じ扱いで、記述は適切です。
- 4会社が役員からの借入金について債務免除を…:役員から借りていたお金の返済を免除してもらうと、会社は返さなくてよくなった金額の利益(債務免除益)を得ることになり、益金に算入されます。記述は適切です。
出典:2024年9月 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定 学科試験(特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問39(改変:肢の番号をそろえ、表・図を文字に書き写して加工)。解説は当サイト独自のもので、日本FP協会・金融財政事情研究会とは関係ありません。
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