2025年5月 (特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問40
タックスプランニング
役員退職金に関する問題
会社と役員間の取引に係る所得税・法人税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1会社が役員からの借入金について債務免除を受けた場合、その債務免除を受けた金額が、その会社の所得金額の計算上、益金の額に算入される。
- 2会社が役員に無利息で金銭の貸付けを行った場合、原則として、通常収受すべき利息に相当する金額が、その会社の所得金額の計算上、益金の額に算入される。
- 3役員が所有する土地を適正な時価の2分の1未満の価額で会社に譲渡した場合、その役員は、適正な時価の2分の1に相当する金額により当該土地を譲渡したものとして譲渡所得の計算を行う。
- 4会社が株主総会の決議を経て役員に退職金を支給した場合、その退職金の額は、不相当に高額な部分の金額など一定のものを除き、損金の額に算入することができる。
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✓ これが正解3役員が所有する土地を適正な時価の2分の1未満の価額で会社に譲渡した場合、その役員は、適正な時価の2分の1に相当する金額により当該土地を譲渡したものとして譲渡所得の計算を行う。
解説
時価の2分の1未満で法人へ譲渡すると、時価で譲渡したとみなされます。
会社と役員の間の取引について、法人税と所得税の扱いを確かめる問題です。会社側の益金・損金と、役員側の所得の計算を分けて考えます。
会社が役員からの借入金の返済を免除してもらうと、返さなくてよくなった額が債務免除益として会社の益金に算入されます。会社が役員に無利息で金銭を貸し付けた場合は、通常受け取るべき利息相当額が会社の益金に算入され、同額が役員への給与として扱われます。会社が株主総会の決議を経て役員に支給する退職金は、不相当に高額な部分などを除き損金に算入できます。これらの記述はいずれも適切です。
役員が個人で所有する土地を、時価の2分の1未満の価額で会社に譲渡した場合、役員は時価で譲渡したものとみなされて譲渡所得を計算します(みなし譲渡)。時価の2分の1の額で譲渡したものとするのではありません。したがって、この記述が不適切です。
個人から法人への時価の2分の1未満の譲渡は時価で売ったものとみなし、会社側は時価との差額を受贈益として益金に算入する、と両側から覚えておくと見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1会社が役員からの借入金について債務免除を…:役員に借入金の返済を免除してもらうと、会社は返済しなくてよい分だけ得をします。この利益は債務免除益として益金に算入されるので、この記述は適切です。
- 2会社が役員に無利息で金銭の貸付けを行った…:役員に無利息でお金を貸すと、会社は本来受け取れた利息を受け取っていないことになります。その利息相当額は益金に算入され、役員には同額の給与が支払われたものとして扱われます。
- 4会社が株主総会の決議を経て役員に退職金を…:株主総会の決議を経て支給した役員退職金は、勤続年数や功績などに照らして不相当に高額な部分を除き、損金に算入できます。この記述は適切です。
出典:2025年5月 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定 学科試験(特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問40(改変:肢の番号をそろえ、表・図を文字に書き写して加工)。解説は当サイト独自のもので、日本FP協会・金融財政事情研究会とは関係ありません。
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