第110回 午前 問25
個人・家族・集団・組織の支援
地域包括支援センターに関する問題
Aさん(80歳、女性)は要介護1、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅱaで介護保険サービスを利用しながら1人で暮らしている。遠方に住む娘が地域包括支援センターに来所し、「家の中に最近購入したと思われる高価な商品が複数置かれ、公共料金は滞納していることが分かった。慣れ親しんだ自宅で最期まで生活してほしいが、お金の管理も心配。どうしたらよいか」と話す。地域包括支援センターの保健師がAさんの娘に提案する内容で適切なのはどれか。
- 1Aさんとの同居
- 2Aさんの施設入所
- 3成年後見制度の利用
- 4民生委員への見守りの依頼
- 5介護支援専門員への金銭管理の依頼
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✓ これが正解3成年後見制度の利用
解説
判断能力が低下した人の財産と契約を守るには成年後見制度が適します。
Aさんは認知症で、日常生活自立度はⅡa、1人暮らしで、高価な商品を次々に購入している一方、公共料金を滞納しています。判断能力の低下により、契約や金銭の管理が適切にできず、悪質な訪問販売などの消費者被害にあっている可能性もあります。娘は、慣れた自宅で最期まで暮らしてほしいと願いつつ、お金の管理を心配しています。
成年後見制度は、認知症などで判断能力が十分でない人について、家庭裁判所が選んだ成年後見人などが、本人に代わって財産を管理したり、契約を結んだり、不利益な契約を取り消したりできる制度です。この制度を使えば、Aさんの財産を守りながら、自宅での生活を続けることができ、娘の思いとAさんの暮らしの両方にかないます。
同居や施設入所は、娘が望む自宅での暮らしの継続から離れ、金銭管理の問題の解決策としては大きすぎます。民生委員の見守りは安否の確認などには役立ちますが、契約や財産の管理を行う権限はありません。介護支援専門員はケアプランの作成と調整を担う職種で、利用者の金銭管理を引き受ける役割ではありません。
判断能力の低下による財産管理や契約の問題には、権利擁護の制度である成年後見制度をまず考える、と覚えておくとよいでしょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1Aさんとの同居:遠方に住む娘がAさんと同居すれば見守りはしやすくなりますが、娘の生活を大きく変える提案です。お金の管理の問題は同居しなくても制度を使って解決できるため、まず勧める内容ではありません。
- 2Aさんの施設入所:施設への入所は、娘が望む、慣れ親しんだ自宅で最期まで暮らすという希望に反します。金銭管理の不安を理由に、在宅生活を続けられる人の住まいを変える必要はありません。
- 4民生委員への見守りの依頼:民生委員による見守りは、安否の確認や異変の早期発見に役立ちます。ただし、不要な契約を取り消したり財産を管理したりする権限はなく、金銭面の問題の解決にはなりません。
- 5介護支援専門員への金銭管理の依頼:介護支援専門員は、介護サービスの計画を立て、事業者との調整を行う職種です。利用者のお金を預かって管理することは業務に含まれず、依頼する先として適切ではありません。
出典:第110回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問25(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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