第110回 午前 問29
疫学
観察開始時点での観察集団の人数に占める、一定の観察期間内に新たに発生した患者数の割合はどれか。
- 1罹患率
- 2罹患率比
- 3累積罹患率
- 4寄与危険割合
- 5人口(集団)寄与危険
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✓ これが正解3累積罹患率
解説
観察開始時の人数を分母に新規発生の割合をみるのが累積罹患率です。
疫学で病気の発生をとらえる指標は、分母に何を使うかで区別します。設問の指標は、観察を始めた時点の集団の人数を分母とし、一定の観察期間の間に新たに病気になった人の数を分子にした割合です。これは累積罹患率で、観察期間の間に集団の一人ひとりが病気になる確率(リスク)を表します。
これに対し、罹患率は、分母に観察人年(各人が観察された期間の合計)を用い、単位時間当たりにどれだけ新たな患者が発生したかを表す率です。罹患率比は、曝露群の罹患率を非曝露群の罹患率で割った値で、相対危険の一種です。寄与危険割合は、曝露群の罹患のうち曝露によって生じた部分の割合で、曝露群と非曝露群の罹患率の差を曝露群の罹患率で割って求めます。人口(集団)寄与危険は、集団全体の罹患率と非曝露群の罹患率の差で、集団から曝露をなくせばどれだけ罹患が減るかを示します。
覚え方として、分母が開始時の人数なら累積罹患率、分母が人年なら罹患率、2つの群を比べて割り算なら比、引き算なら寄与危険、と整理しておくと見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1罹患率:罹患率は、観察された期間の長さを足し合わせた観察人年を分母にとり、一定の時間に新たな患者がどれだけ出るかを表す指標です。観察開始時の人数を分母にする割合ではありません。
- 2罹患率比:罹患率比は、曝露のある群の罹患率をない群の罹患率で割った比で、要因と病気の関連の強さをみる指標です。1つの集団の中の発生の割合を表すものではありません。
- 4寄与危険割合:寄与危険割合は、曝露群で起きた罹患のうち、曝露が原因と考えられる部分がどれだけかを示す割合です。2つの群の比較から求める指標なので、設問の定義とは異なります。
- 5人口(集団)寄与危険:人口(集団)寄与危険は、集団全体の罹患率から非曝露群の罹患率を引いた値です。集団から曝露をなくしたときに減る罹患の大きさを表すもので、設問の割合とは違います。
出典:第110回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問29(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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