第110回 午後 問24
保健統計学
全国がん登録制度
全国がん登録制度について正しいのはどれか。
- 1罹患率を計測する。
- 2健康増進法に基づいている。
- 3診断後7日以内に届け出る。
- 4がん罹患者の同意が必要である。
- 5指定届出機関による定点把握である。
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✓ これが正解1罹患率を計測する。
解説
全国がん登録は、がんの罹患を把握して罹患率を計測します。
全国がん登録は、がん登録等の推進に関する法律(がん登録推進法)に基づく制度です。法第2条は全国がん登録を、国が国内におけるがんの罹患、診療、転帰等に関する情報をデータベースに記録し保存することと定めています。
この制度では、すべての病院と、都道府県知事が指定した診療所の管理者が、原発性のがんを初めて診断したときに届け出ることが義務付けられています(法第6条)。日本で発生したがんを漏れなく数えることで、がんに新たにかかった人の数と割合、つまり罹患率を正確に計測できるようになりました。したがって、罹患率を計測するという記述が正解です。届出の期限は厚生労働省令に委ねられ、届出マニュアルでは診断年の翌年末までとされています。また届け出ることについて患者本人の同意は求められていません。本人の希望で届出の有無が変わると、がんを漏れなく数えられなくなるためです。
全国がん登録は、全病院の届出義務、同意は不要、罹患率の把握、の3点で覚えると、感染症の発生届や定点把握と区別しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2健康増進法に基づいている。:全国がん登録の根拠は、平成25年に制定されたがん登録等の推進に関する法律です。健康増進法はがん検診などの健康増進事業の根拠にはなりますが、がん登録の制度を定めた法律ではありません。
- 3診断後7日以内に届け出る。:届出の期間は法第6条で厚生労働省令に委ねられており、届出マニュアルでは診断年の翌年末までとされています。診断後7日以内という短い期限は、感染症の届出のような急ぎの仕組みと取り違えています。
- 4がん罹患者の同意が必要である。:病院等には法律で届出が義務付けられており、患者が届出を望むかどうかを確かめる手続きはありません。一部の人が抜けると統計に偏りが生じ、国全体のがんの発生を正しくつかめなくなるからです。
- 5指定届出機関による定点把握である。:全国がん登録は、すべての病院と指定された診療所に届出を義務付け、がんの発生を漏れなく集める全数把握の仕組みです。一部の医療機関から報告を集めて傾向をみる定点把握ではありません。
出典:第110回 保健師国家試験 午後(厚生労働省)問24(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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