第36回 問題40
認知症の理解
認知症(dementia)の行動・心理症状(BPSD)であるアパシー(apathy)に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
- 1感情の起伏がみられない。
- 2将来に希望がもてない。
- 3気持ちが落ち込む。
- 4理想どおりにいかず悩む。
- 5自分を責める。
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✓ これが正解1感情の起伏がみられない。
解説
アパシーは、感情の起伏がみられなくなる状態です。
アパシーは、認知症の行動・心理症状(BPSD)の一つで、物事への興味や関心、意欲が失われた状態をいいます。周りの出来事に心が動かず、喜びや悲しみなどの感情の起伏がみられなくなるのが特徴です。以前は好きだった趣味に関心を示さなくなったり、一日中ぼんやり過ごしたりする様子がみられます。
アパシーと間違えやすいのが、うつ状態です。どちらも活動が減って元気がないように見えますが、うつ状態では、気持ちが落ち込む、将来に希望がもてない、自分を責めるなど、本人がつらさや苦しみを感じています。これに対してアパシーでは、そうしたつらさの感情自体が乏しく、本人は困っていないように見えることが多いとされます。
したがって、感情の起伏がみられないという記述が適切です。ほかの肢は、いずれも気分の落ち込みや悩み、自責の念など、うつ状態に近い心の様子を表しています。アパシーは感情が動かない状態、うつは苦しい感情がある状態、と区別して覚えると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2将来に希望がもてない。:将来に希望がもてないという気持ちは、悲観的な考えに苦しむ、うつ状態にみられる心の様子です。何事にも心が動かず感情自体が乏しくなるアパシーとは異なります。
- 3気持ちが落ち込む。:気持ちが落ち込むのは、うつ状態の中心となる症状です。アパシーでは、落ち込みのようなつらい感情そのものが乏しくなる点が違いとして挙げられます。
- 4理想どおりにいかず悩む。:理想どおりにいかずに悩むのは、こうありたいという思いがあるからこそ生まれる心の動きです。関心や意欲そのものが失われるアパシーの説明としては合いません。
- 5自分を責める。:自分を責めるのは、うつ状態でみられる自責感です。本人が苦しさを感じている状態であり、物事への関心が薄れて感情が動かなくなるアパシーとは区別されます。
出典:第36回 介護福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題40。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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