平成23年度 秋期 午前Ⅱ 問9
データ通信と制御
負荷分散装置の処理
図のようなルータ1とルータ2及び負荷分散装置を使ったマルチホーミングが可能な構成において,クライアントから接続先サーバ宛のパケットに対する負荷分散装置の処理として,適切なものはどれか。
マルチホーミングの構成:
[クライアント側(破線で囲んだ範囲)] クライアント(複数台)─ LAN ─ 負荷分散装置 負荷分散装置 ─ ルータ1 ─ ISP1 負荷分散装置 ─ ルータ2 ─ ISP2 [インターネット] ISP1,ISP2,ISP3 [接続先側(破線で囲んだ範囲)] ISP3 ─ 接続先ルータ ─ LAN ─ 接続先サーバ
- ア宛先IPアドレスはそのままで,宛先MACアドレスを接続先サーバのMACアドレスに置き換える。
- イ宛先IPアドレスはそのままで,宛先MACアドレスをルータ1又はルータ2のMACアドレスに置き換える。
- ウ宛先MACアドレスはそのままで,宛先IPアドレスを接続先ルータのIPアドレスに置き換える。
- エ宛先MACアドレスはそのままで,宛先IPアドレスをルータ1又はルータ2のIPアドレスに置き換える。
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✓ これが正解イ宛先IPアドレスはそのままで,宛先MACアドレスをルータ1又はルータ2のMACアドレスに置き換える。
解説
宛先IPアドレスはそのまま、宛先MACアドレスをルータ1か2のものにします。
軸は、どの層のアドレスを書き換えれば通り道だけを変えられるかです。この構成では、クライアントから接続先サーバへのパケットが、ルータ1かルータ2のどちらかを通ってインターネットへ出ます。最終的な宛先は接続先サーバなので、宛先IPアドレスは書き換えません。負荷分散装置は、次にパケットを渡すルータを選び、宛先MACアドレスをそのルータのMACアドレスに置き換えて送り出します。MACアドレスは同じネットワーク内の次の受け手を表すので、これだけで出口を振り分けられます。IPアドレスは最終の宛先、MACアドレスは次の受け手、と役割を分けて考えると選べます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア宛先IPアドレスはそのままで,宛先MAC…:接続先サーバはISP3の先の別のネットワークにあり、クライアント側のLANからMACアドレスで直接届けることはできません。MACアドレスを書き換える相手は、同じネットワークにいる次の受け手であるルータです。
- ウ宛先MACアドレスはそのままで,宛先IP…:宛先IPアドレスを接続先ルータのものに書き換えると、パケットは接続先ルータ宛てになり、接続先サーバへは届かなくなります。宛先MACアドレスをそのままにすると、出口のルータを振り分けることもできません。
- エ宛先MACアドレスはそのままで,宛先IP…:宛先IPアドレスをルータ1やルータ2のものにすると、パケットはそのルータ自身宛てとなり、インターネットへ転送されません。出口の振り分けは、最終の宛先を残したまま次の受け手を変えることで行います。
この問題の用語
- MACアドレスLAN内で機器を1台ずつ見分けるための固有の番号です。ブリッジはこれを見て中継しますが、ルータが見るのはIPアドレスなので働く層が違います。
- ルータLAN同士やLANとWANをつなぎ、ネットワーク層で中継する機器です。宛先のIPアドレスを見て経路を選び、パケットを転送します。
- LAN事務所や家庭など、限られた範囲の中で機器をつなぐネットワークです。離れた拠点どうしを結ぶWANとは、ルータを介して接続します。
- IPアドレスネットワークにつながった機器を見分けるための番号。通信はこの番号を宛先として届けられ、名前からは変換して求めます。
出典:平成23年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問9
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 春期 午前Ⅱ 問8:可変長サブネットマスクの問題(ルータ)
- 令和6年度 春期 午前Ⅱ 問10:TCPに関する問題(MACアドレス)
- 令和6年度 春期 午前Ⅱ 問6:ARPに関する問題(MACアドレス)
- 令和6年度 春期 午前Ⅱ 問1:BGP-4に関する問題(ルータ)
- 令和5年度 春期 午前Ⅱ 問11:VLANタグに関する問題(MACアドレス)
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