第58回 午前 問19
理学療法評価学
68歳の女性。NYHA心機能分類class Ⅲの僧帽弁閉鎖不全症に対して経皮的僧帽弁形成術を受け、術後経過良好で退院することになった。退院時の運動機能評価として適切なのはどれか。
- 1クリニカルシナリオ分類
- 2マスターシングルテスト
- 3Nohria-Stevenson分類
- 4ハンドグリップテスト
- 56分間歩行テスト
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✓ これが正解56分間歩行テスト
解説
退院時の運動機能の評価には6分間歩行テストが適しています。
心臓の治療を受けて退院する患者の運動機能を評価するときは、日常生活に近い形で、どれだけ動けるかを安全に測れる方法を選びます。6分間歩行テストは、平らな通路を6分間でどれだけの距離を歩けるかを測る検査で、特別な機器がいらず、心不全や心臓手術後の患者の持久力や運動耐容能をみる評価として広く使われています。
この患者は、NYHA心機能分類class Ⅲの僧帽弁閉鎖不全症に対して経皮的僧帽弁形成術を受け、経過良好で退院するところです。退院時に運動機能を評価する方法としては、6分間歩行テストが適しています。
クリニカルシナリオ分類とNohria-Stevenson分類は、急性心不全の病態を見立てて初期治療を選ぶための分類で、運動機能の評価ではありません。マスターシングルテストは階段の昇降で心電図の変化をみる検査、ハンドグリップテストは握る力を一定時間保つ負荷で血圧などの反応をみる検査で、どちらも目的が異なります。分類は病態の把握、テストは運動能力の測定、と目的で分けて覚えましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1クリニカルシナリオ分類:クリニカルシナリオ分類は、急性心不全で来院した患者の収縮期血圧などをもとに病態を分け、初期の治療方針を決めるための分類です。退院時の運動機能を測る方法ではありません。
- 2マスターシングルテスト:マスターシングルテストは、決まった段差の昇り降りをさせて、その前後の心電図の変化から虚血の有無をみる検査です。持久力や歩行能力の評価を目的とするものではありません。
- 3Nohria-Stevenson分類:Nohria-Stevenson分類は、うっ血の有無と末梢の循環の良し悪しで心不全の病態を四つに分ける分類です。治療の選択に使うもので、運動機能の評価には用いません。
- 4ハンドグリップテスト:ハンドグリップテストは、握る力を一定時間保たせて血圧や心拍の反応をみる負荷の方法です。全身を使う運動の能力や歩行の持久力を評価するものではありません。
出典:第58回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問19(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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