第26回 問題7
精神医学と精神医療
次の記述のうち,注意欠如・多動症(ADHD)の症状として,適切なものを1つ選びなさい。
- 1爽快気分が生じ楽観的に物事を考える。
- 2身体に対する著しい認知の歪みを認める。
- 3非言語的コミュニケーションが苦手である。
- 4自分の考えが抜き取られるように感じる。
- 5課題や活動を順序立てて行うことが困難である。
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✓ これが正解5課題や活動を順序立てて行うことが困難である。
解説
課題を順序立てて行うのが難しいのは、ADHDの不注意の症状です。
注意欠如・多動症(ADHD)は、発達の早い時期から、不注意と、多動性・衝動性が年齢に見合わない程度に続き、生活に支障が出る神経発達症の一つです。判断の軸は、記述がこの不注意か多動性・衝動性のどちらかにあてはまるかどうかです。
不注意の症状には、細かいところを見落とす、注意を持続しにくい、話を聞いていないように見える、物をなくしやすい、そして課題や活動を順序立てて行うことが難しい、といったものがあります。課題や活動を順序立てて行うことが困難であるという記述は、この不注意の症状にあたるので、適切です。
他の記述は、別の病気の特徴です。爽快な気分は躁状態、身体についての認知の歪みは摂食障害、言葉以外のやりとりの苦手さは自閉スペクトラム症、考えが抜き取られる体験は統合失調症で語られる症状です。
見分け方として、ADHDの問では、記述が不注意(忘れる・段取りできない)か、多動・衝動(じっとしていられない・待てない)のどちらかに入るかを確かめると、他の発達障害や精神疾患の症状と区別しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1爽快気分が生じ楽観的に物事を考える。:爽快な気分が生じて物事を楽観的に考えるのは、気分が高揚する躁状態の特徴です。ADHDは注意や行動のコントロールの困難が中心で、気分の高揚そのものは症状に含まれません。
- 2身体に対する著しい認知の歪みを認める。:自分の体の形や体重について著しく歪んだ受け止め方をするのは、神経性やせ症などの摂食障害の特徴です。不注意や多動性・衝動性を中心とするADHDの症状とは別のものです。
- 3非言語的コミュニケーションが苦手である。:視線や身振りなど言葉以外のやりとりが苦手なのは、社会的コミュニケーションの困難を中心とする自閉スペクトラム症の特徴です。ADHDの中核となる症状には入っていません。
- 4自分の考えが抜き取られるように感じる。:自分の考えが抜き取られるように感じる体験は思考奪取と呼ばれ、統合失調症で見られる自我障害の一つです。発達の早い時期から続く不注意や多動性を特徴とするADHDの症状ではありません。
出典:第26回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題7。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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