第28回 問題11
現代の精神保健の課題と支援
次のうち,リハビリテーションの観点から4段階の危機モデルを提唱した人物として,正しいものを1つ選びなさい。
- 1フィンク(Fink, S.)
- 2マズロー(Maslow, A.)
- 3ピアジェ(Piaget, J.)
- 4サリヴァン(Sullivan, H.)
- 5ハヴィガースト(Havighurst, R.)
答えと解説を見る
✓ これが正解1フィンク(Fink, S.)
解説
衝撃から適応までの4段階の危機モデルはフィンクが示しました。
危機理論の人物と理論の組合せを問う問題です。フィンクは、けがや病気によって突然障害を負った人が危機に向き合い、立ち直っていく過程を、リハビリテーションの観点から4つの段階で示しました。
4段階は、強い衝撃を受けて混乱する衝撃の段階、現実から目をそらして自分を守ろうとする防御的退行の段階、現実に直面して深い悲しみや抑うつを経験する承認の段階、新しい自分の姿を受け入れて前に進む適応の段階です。障害の受容の過程を理解する枠組みとして、看護やリハビリテーション、ソーシャルワークの場面で用いられています。
ほかの肢の人物は、欲求の階層、子どもの認知の発達、対人関係を重視する精神医学、人生の各時期の発達課題といった、別の理論で知られています。危機モデルとは結びつきません。
したがって正しいのはフィンクです。覚え方としては、フィンクの4段階は衝撃・防御的退行・承認・適応の順、と段階の名前と順番をまとめて押さえておくと、似た理論との区別がつきやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2マズロー(Maslow, A.):マズローは、生理的欲求から自己実現の欲求までを積み重ねて示した欲求階層説で知られる心理学者です。危機に向き合う過程を段階で示した危機モデルの提唱者ではありません。
- 3ピアジェ(Piaget, J.):ピアジェは、子どもの思考が感覚運動期から形式的操作期へと発達していく認知発達の段階を示した人物です。障害を負った人の危機の過程を扱う理論ではありません。
- 4サリヴァン(Sullivan, H.):サリヴァンは、人と人との関係の中で精神の病を理解しようとする対人関係論を唱えたアメリカの精神科医です。4段階の危機モデルとは関係しません。
- 5ハヴィガースト(Havighurst, R.):ハヴィガーストは、乳幼児期から老年期までの各時期に達成すべき発達課題を示した教育学者です。危機からの回復の段階を示したものではありません。
出典:第28回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題11。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)