第28回 問題21
精神保健福祉の原理
精神保健福祉の歴史に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
- 1バザーリア(Basaglia, F.)は,精神障害者を鎖から解放し人間的な処遇を提唱した。
- 2ビアーズ(Beers, C.)は,自らの入院の体験を著し精神衛生運動に取り組んだ。
- 3ピネル(Pinel, P.)は,精神科病院の廃止を訴え法律第180号の制定運動に関わった。
- 4ジョーンズ(Jones, M.)は,日本における私宅監置の状況を調査し医療施設の整備を主張した。
- 5サリービー(Saleebey, D.)は,マディソン市でACT(包括型地域生活支援プログラム)モデルの原型を創った。
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✓ これが正解2ビアーズ(Beers, C.)は,自らの入院の体験を著し精神衛生運動に取り組んだ。
解説
自らの入院体験を著し精神衛生運動を進めたのはビアーズです。
精神保健福祉の歴史に登場する人物と業績の組合せを問う問題です。ビアーズはアメリカの人で、自らが精神科病院に入院した際に受けた非人間的な扱いを、1908年に『わが魂にあうまで』として著しました。この本は大きな反響を呼び、ビアーズは精神病院の改善や精神障害の予防を目指す精神衛生運動を進め、精神衛生協会の設立にも関わりました。設問の記述はこの業績と合っています。
ほかの肢は、人物と業績を入れ替えています。精神障害者を鎖から解放したのはフランスのピネル、精神科病院の廃止を進め法律第180号(いわゆるバザーリア法)につながったのはイタリアのバザーリアです。日本の私宅監置の実態を調べ、精神科病院の整備を訴えたのは呉秀三らです。ジョーンズは治療共同体、サリービーはストレングス視点で知られ、ACTの原型はマディソン市でスタインとテストらが創ったものとされます。
したがって正しいのはビアーズの記述です。人物の問題では、鎖からの解放はピネル、病院の廃止はバザーリア、私宅監置の調査は呉秀三、と国と業績を一緒に覚えておくと入れ替えに気づきやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1バザーリア(Basaglia, F.)は,精神障害者を鎖から解放し人間的な処遇を提唱した。:バザーリアは、イタリアで精神科病院の廃止と地域での支援への転換を進めた精神科医です。精神障害者を鎖から解放し、人道的な処遇を唱えたのは、フランスのピネルとして知られています。
- 3ピネル(Pinel, P.)は,精神科病院の廃止を訴え法律第180号の制定運動に関わった。:ピネルは、18世紀末のフランスで患者を鎖から解き放ったことで知られる医師です。精神科病院の廃止を訴え、イタリアの法律第180号の制定に関わったのはバザーリアです。
- 4ジョーンズ(Jones, M.)は,日本における私宅監置の状況を調査し医療施設の整備を主張した。:ジョーンズは、患者と職員が対等に話し合いながら病棟を運営する治療共同体を実践したイギリスの精神科医です。日本の私宅監置の実態を調べたのは呉秀三らです。
- 5サリービー(Saleebey, D.)は,マディソン市でACT(包括型地域生活支援プログラム)モデルの原型を創った。:サリービーは、利用者の強みに注目するストレングス視点を体系化した研究者です。マディソン市でACTの原型を創ったのは、スタインとテストらとされています。
出典:第28回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題21。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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