第28回 問題23
精神保健福祉の原理
次のうち,リカバリーを論じた際に,「多くの精神障害者は地域で暮らし,働き,愛し,重要な貢献をすることを求めている」旨を主張した人物として,正しいものを1つ選びなさい。
- 1ゴッフマン(Goffman, E.)
- 2リバーマン(Liberman, R.)
- 3ディーガン(Deegan, P.)
- 4ウイング(Wing, J.)
- 5マイヤー(Meyer, A.)
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✓ これが正解3ディーガン(Deegan, P.)
解説
精神障害者は地域で暮らし働き愛したいと主張したのはディーガンです。
リカバリーについて論じた人物を問う問題です。ディーガンはアメリカの心理学者で、自らも若い頃に統合失調症と診断された経験をもつ当事者です。自らの経験をもとに、リカバリーとは病気が治ることだけではなく、障害を抱えながらも自分らしい生き方や人生の意味を取り戻していく過程であると論じ、リカバリーの考え方を広めた代表的な人物の一人とされています。
設問が示す、多くの精神障害者は地域で暮らし、働き、愛し、重要な貢献をすることを求めているという主張は、精神障害のある人を治療やケアの対象としてだけ見るのではなく、地域で役割をもって生きる一人の人として見る、ディーガンのリカバリー論の考え方と合っています。
ほかの肢の人物は、施設や社会と人との関わりの研究、生活技能の訓練、施設症の研究、精神生物学といった別の分野で知られています。当事者としてリカバリーを語った人物ではありません。
したがって正しいのはディーガンです。リカバリーの問題では、当事者の立場から語った人物かどうかに注目すると、他の研究者と区別しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1ゴッフマン(Goffman, E.):ゴッフマンは、精神科病院などを全制的施設として分析した『アサイラム』や、スティグマの研究で知られる社会学者です。当事者としてリカバリーを論じた人物ではありません。
- 2リバーマン(Liberman, R.):リバーマンは、生活に必要な技能をロールプレイなどで練習する社会生活技能訓練(SST)を体系化した精神科医です。リカバリーを主張した当事者ではありません。
- 4ウイング(Wing, J.):ウイングは、長期入院によって無気力などが生じるインスティテューショナリズム(施設症)の研究で知られるイギリスの精神科医です。設問の主張をした人物ではありません。
- 5マイヤー(Meyer, A.):マイヤーは、人を生物・心理・社会の面から全体として理解する精神生物学を唱えたアメリカの精神科医で、精神衛生運動にも関わりました。リカバリーを論じた当事者ではありません。
出典:第28回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題23。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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