令和5年度 春期 午前Ⅱ 問14
システム監査
監査報告書に記載すべきもの
システム管理基準(平成 30 年)に基づく,IT ガバナンスにおける情報システムの資源管理の監査で判明した経営陣の対応のうち,監査人が,指摘事項として監査報告書に記載すべきものはどれか。
- ア企業活動の生産性向上を考慮し,情報資産を共有化する方針としていた。
- イ情報システム資産管理台帳を使用することを定めた,情報資産の管理を行う方針を承認していた。
- ウ情報セキュリティトレーニングの修了を,人的資源の調達及び育成の方針に含めていた。
- エ内部人材の数とスキルが不足していたが,情報システム戦略において外部資源の活用について考慮していなかった。
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✓ これが正解エ内部人材の数とスキルが不足していたが,情報システム戦略において外部資源の活用について考慮していなかった。
解説
人材不足なのに外部資源の活用を考慮しない対応は指摘事項です。
監査人が指摘事項として監査報告書に記載するのは、経営陣の対応に不備や改善すべき点があるものです。見分ける軸は、記述が望ましい対応を示しているか、欠けている対応を示しているかです。内部人材の数とスキルが不足しているにもかかわらず、情報システム戦略で外部資源の活用を考慮していなかったという状況では、戦略の実現に必要な資源が確保されないおそれがあり、資源管理として不十分です。そのため、改善を求める指摘事項に当たります。ほかの三つは、情報資産の共有化、管理台帳を使った管理方針の承認、セキュリティトレーニングの方針への組込みで、いずれも資源管理として適切な対応です。欠けている対応を指摘する、と考えると選べます。設問が拠るシステム管理基準(平成30年)は、2023年に改訂されています。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア企業活動の生産性向上を考慮し,情報資産を…:生産性向上を考慮して情報資産を共有化する方針は、資源を有効に活用するための適切な対応です。経営陣の取組みとして問題のある点は見当たらず、改善を求めて監査報告書に記載する内容ではありません。
- イ情報システム資産管理台帳を使用することを…:情報システム資産管理台帳を使った情報資産の管理方針を承認していたのは、資源を把握し管理するための適切な対応です。経営陣が果たすべき役割を果たしている例であり、指摘事項にはなりません。
- ウ情報セキュリティトレーニングの修了を,人…:情報セキュリティトレーニングの修了を人的資源の調達及び育成の方針に含めるのは、人材の質を確保する適切な取組みです。不備を示す内容ではないので、指摘事項として記載するものではありません。
この問題の用語
- 監査報告書監査の結果と意見、改善の勧告をまとめて伝える文書のことです。原案は相手と意見交換し、事実誤認がないかを確かめます。
- 情報システム戦略情報システムをどう整えて経営に役立てるかを、全社の視点で定めた方針です。個々のシステムの改修計画よりも上位に置かれます。
- 監査人システム監査を行う人。作る側や運用する側から独立した立場を保ち、自分では作らずに規程や記録を見て確かめます。
- 指摘事項監査で見つかった、直すべき点として報告書に書かれる事柄です。決まりどおりに行われていた行為は、ここには含まれません。
- 企業活動会社が利益を上げるために行う、いろいろな取組みの全体です。製品やサービスを作って売るほか、人や資金の管理、研究開発なども含みます。
- 情報資産組織にとって価値があり、守る対象になるもの。機密性などの観点で一つずつ評価し、扱い方を段階に分けて決めます。
- 資産管理持っている機器やソフトを把握し、記録して管理することです。名称や版、置き場所、ライセンスの数まで押さえ、更新や廃棄に役立てます。
- 調達必要なシステムや物品を、外部の事業者から手に入れる一連の手続です。情報提供の依頼、提案の依頼、選定、契約の順に進みます。
出典:令和5年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問14
同じ用語が出る問題
- 令和3年度 春期 午前Ⅱ 問7:構成管理に関する問題(資産管理)
- 平成28年度 秋期 午前Ⅱ 問18:PMBOKに関する問題(調達)
- 平成26年度 秋期 午前Ⅱ 問14:情報セキュリティ管理基準の問題(指摘事項)
- 平成23年度 秋期 午前Ⅱ 問14:外観上の独立性に関する記述(監査報告書)
- 平成22年度 秋期 午前Ⅱ 問16:信頼性に関する問題(企業活動)
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