平成23年度 秋期 午前 問49
法務
特許に関する問題
知的財産権戦略として,特許化されていない技術を特許出願せずにノウハウとして秘匿することが適切な例はどれか。
- ア社内の秘密保持体制が構築できない場合
- イセキュリティ分野のソフトウェアで,アルゴリズムを公開したくない場合
- ウ他社に積極的に技術使用許諾して,ライセンス収入を得たい場合
- エリバースエンジニアリングによって技術が容易に明らかになる場合
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✓ これが正解イセキュリティ分野のソフトウェアで,アルゴリズムを公開したくない場合
解説
解析されないものだけ秘匿が勝ちます。
特許は、中身を公開する代わりに一定期間だけ独占を認めてもらう制度です。出願すれば必ず世に出るのですから、公開したくないという事情があるなら、あえて出願せずに伏せておく道が残ります。ただし伏せる道が成り立つには条件が二つそろわなければなりません。一つは公開したくない理由があること、もう一つは公開しなくても他人に知られずに済むことです。セキュリティ分野のソフトウェアで手順を公開したくないという事情は、この二つの両方に当てはまります。判断の分かれ目は、製品から中身をたどれるかどうかに置くと迷いません。たどれるのならいずれ知られるので特許で押さえ、たどれないのなら伏せたまま使い続けられます。伏せる側には期限がない代わりに、他人が独自に同じものを思い付いたときに止められないという弱みがあります。営業秘密として法の後ろ盾を得るには、秘密として管理していること、役に立つこと、世に知られていないことの三つが必要です。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア社内の秘密保持体制が構築できない場合:守る体制そのものが用意できないのなら、伏せておくという手段が最初から立ちません。管理できていない情報は法の後ろ盾も受けられず、むしろ出願しておくべき側に回ります。
- ウ他社に積極的に技術使用許諾して,ライセン…:他社に使わせて対価を得たいのですから、登録された権利として示せなければ交渉の土台がありません。ライセンス収入を目的に据えた時点で、出願する側に傾きます。
- エリバースエンジニアリングによって技術が容…:リバースエンジニアリングで容易に分かるのなら、知られずに済むという前提が崩れます。しかも先に他人へ出願されると、自分が使えなくなる危険まで背負うことになります。
この問題の用語
- 営業秘密秘密として管理され、事業に有用で、公然と知られていない情報です。この三つがそろってはじめて、不正競争防止法で守られます。
- 知的財産権発明や著作物、営業秘密など、人が生み出したものについての権利をまとめた呼び名。特許権や著作権が代表です。
- アルゴリズム問題を解くための、決まった手順や考え方そのものです。同じ問題でも手順によって、処理にかかる時間や必要な記憶量が変わります。
- 使用許諾権利者が、決められた条件のもとで使うことを認めることです。認められた範囲を超えて使うと、契約に反することになります。
- ライセンスソフトウェアなどを使ってよいと認められた権利や許諾で、台数や期間の条件が付くのがふつうです。ソフトウェアに限ったものをソフトウェアライセンスといいます。
出典:平成23年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問49
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 春期 午前 問16:GPLに関する問題(ライセンス)
- 令和元年度 秋期 午前 問50:使用許諾に関する説明(使用許諾)
- 平成28年度 秋期 午前 問50:使用許諾に関する説明(使用許諾)
- 平成26年度 秋期 午前 問78:営業秘密に関する問題(営業秘密)
- 平成24年度 秋期 午前 問50:特許権に関する問題(知的財産権)
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