平成25年度 秋期 午前 問60
システム監査
内部統制に関する問題
システム開発計画の策定におけるコントロールのうち,適切なものはどれか。
- アシステムの機能が利用者の立場に基づいて実装されるよう,全体最適よりも業務上の利便性を優先し,利用部門の要望に基づいて策定する。
- イ状況の変化に合わせて柔軟に内容の変更が行えるよう,開発計画は開発作業に着手してから組織内での承認を得て策定する。
- ウ不必要なシステム開発コストを抑制するよう,情報システムの目的を達成するための複数の代替案を作成し,比較検討する。
- エ利用部門,システム部門の分け隔てなく自由な議論が行われるよう,開発計画の策定は,利用部門とシステム部門の役割分担を決めずに実行する。
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✓ これが正解ウ不必要なシステム開発コストを抑制するよう,情報システムの目的を達成するための複数の代替案を作成し,比較検討する。
解説
複数の代替案を作って比べる手順が統制です。
設問は、システム開発計画の策定におけるコントロールとして適切なものを選ばせています。物差しになるのはコントロールという語の中身で、これは統制、つまりあるべき状態から外れないように仕組みで縛ることを指します。具体的には、承認を得る、役割を分ける、記録を残す、複数を比べる、報告させる、といった手順をあらかじめ定めて守らせる形になります。ですから内部統制の観点から適切だとされる記述は、事前に決める、承認を得る、複数案を比べる、といった形をとるのが普通です。よって、目的を達成するための複数の代替案を作成し、比較検討する、という記述が当てはまります。案を一つしか作らなければ、最初に思いついたものがそのまま通ってしまいます。費用と効果と期間と危険度で並べて比べれば、過大な投資を避けられるうえ、なぜその案を選んだのかが記録として残ります。後から確かめられる形で理由が残ること自体が、統制の値打ちになります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- アシステムの機能が利用者の立場に基づいて実…:使う人の立場を大事にするという前半は頷けますが、後半で全体の最適より利便性を上に置くと言い切っています。全社の方針と食い違う部分最適に倒れてしまうので、外れないように縛る形にはなりません。
- イ状況の変化に合わせて柔軟に内容の変更が行…:変化に合わせられるようにという狙いは分かりますが、承認を得るのが着手より後になっています。まだ認められていないうちに資源を投じることになるため、歯止めが外れた形にあたります。
- エ利用部門,システム部門の分け隔てなく自由…:自由に話し合えるようにという狙いのために、どちらの部門が何を担うかを決めないまま進めるとしています。責任の所在が消えて、決まらないものや抜け落ちるものが生じるので、縛りを失った形になります。
この問題の用語
- 内部統制不正やミスを防ぐため、承認や記録、点検といった手続きを業務そのものに組み込んでおく社内の仕組み。整備と運用の最終責任は経営者が負います。
- コントロール目的どおりに業務が進むように組み込む、決まりや点検、仕組みのことです。監査では、その整備と運用の状況が評価されます。
- 部門組織の中で、仕事の種類や担当ごとに分けられたまとまりです。専門ごとに分ける分け方と、製品や地域ごとに分ける分け方があります。
- 作業工程を組み立てる、一つひとつの仕事の単位のことです。開始と終了、所要日数をもち、順序をつないで全体の日程を作ります。
- 組織目的を果たすために、人が役割を分けて集まったまとまりのことです。分け方には機能別、事業部制、マトリックスなどの形があります。
- 情報システム業務に必要なデータを集め、処理し、伝えるための仕組み全体です。コンピュータや通信網だけでなく、それを使う人や業務の手順も含みます。
出典:平成25年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問60
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前 問60:コントロールに関する問題(コントロール)
- 令和7年度 春期 午前 問58:ウォークスルー法の説明(コントロール)
- 令和5年度 秋期 午前 問60:ITへの対応に関する問題(内部統制)
- 令和5年度 春期 午前 問60:内部統制に関する問題(内部統制)
- 平成30年度 秋期 午前 問58:サンプリングに関する問題(内部統制)
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