令和5年度 春期 午前 問60
システム監査
内部統制に関する問題
金融庁“財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準(令和元年)”における,内部統制に関係を有する者の役割と責任の記述のうち,適切なものはどれか。
- ア株主は,内部統制の整備及び運用について最終的な責任を有する。
- イ監査役は,内部統制の整備及び運用に係る基本方針を決定する。
- ウ経営者は,取締役及び執行役の職務の執行に対する監査の一環として,独立した立場から,内部統制の整備及び運用状況を監視,検証する役割と責任を有している。
- エ内部監査人は,モニタリングの一環として,内部統制の整備及び運用状況を検討,評価し,必要に応じて,その改善を促す職務を担っている。
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✓ これが正解エ内部監査人は,モニタリングの一環として,内部統制の整備及び運用状況を検討,評価し,必要に応じて,その改善を促す職務を担っている。
解説
主語を正しい持ち主に戻せば決まります。
設問は、財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準における、内部統制に関係を有する者の役割と責任の記述のうち、適切なものを選ばせています。四つの記述はどれも日本語として自然に読めますが、述べている中身の持ち主が入れ替えてあります。ですから述語ではなく主語を先に見て、正しい持ち主に戻すのが早道です。適切なのは、内部監査人がモニタリングの一環として内部統制の整備及び運用状況を検討、評価し、必要に応じてその改善を促す職務を担っている、という記述です。内部監査人は組織の中に身を置き、経営者へ報告する立場にあります。そのため役割は、組織の外から独立して見張ることではなく、内部統制が日々働いているかを見る仕組みの一部を受け持つことになります。誰が何を担うかを並べ直せば、残りの記述がどこで付け替えられているかも見えてきます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア株主は,内部統制の整備及び運用について最…:整備と運用の最終的な責任を、会社の所有者の側に置いています。日々の業務を執り行っているのは経営を担う側なので、責任もそちらにあり、所有者は選任と結果の評価を通じて関わります。
- イ監査役は,内部統制の整備及び運用に係る基…:基本方針を決める役目を、業務の執行を監視する役員に割り当てています。方針を決めるのは取締役会であり、決められた方針のもとで執行が正しく行われているかを見るのが、この役員の持ち場です。
- ウ経営者は,取締役及び執行役の職務の執行に…:独立した立場から職務の執行を監視し検証する役目を、経営を担う側に付け替えています。監視される側が独立して監視することはできないので、中身が正しくても持ち主が誤りです。
この問題の用語
- 内部統制不正やミスを防ぐため、承認や記録、点検といった手続きを業務そのものに組み込んでおく社内の仕組み。整備と運用の最終責任は経営者が負います。
- モニタリング活動が決めたとおり行われているかを継続して監視すること。システムの稼働や計画の進み具合を見て、異常やずれに早く気づくために行います。
- 基本方針組織が取り組みの目的や考え方を、最も上の段で示す方針です。具体的な基準や手順は、これをよりどころにして定めます。
- 経営者組織の方向を決め、責任を負う立場の人のことをいいます。経営の方針や目標を定め、人や資金を配分して、その達成に責任を持ちます。
- 監視機器や利用者の動きを継続して見て、記録に残しておくこと。稼働状況や性能を見張り、異常に早く気づいて対応するために行います。
- 内部監査組織が自分たちの仕組みを、業務の担当から離れた立場の者が点検すること。結果は改善のための見直しに使われます。
- 監査人システム監査を行う人。作る側や運用する側から独立した立場を保ち、自分では作らずに規程や記録を見て確かめます。
- 改善悪いところを直して、より良い状態にすること。一度で終わらせず、計画・実行・評価・見直しを繰り返して続けるのが基本です。
出題当時の情報です(現在との違い)
設問の基準(令和元年)は、2023年4月に企業会計審議会で改訂されました(出題時は改訂前の基準)。
出典:令和5年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問60
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前 問59:監査人が行うフォローアップ(モニタリング)
- 令和6年度 秋期 午前 問61:DX推進指標に関する問題(経営者)
- 令和5年度 秋期 午前 問60:ITへの対応に関する問題(内部統制)
- 令和4年度 秋期 午前 問58:ISMS内部監査に関する問題(内部監査)
- 平成25年度 秋期 午前 問40:ISMSに関する問題(基本方針)
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