平成25年度 秋期 午前 問64
システム戦略
システム管理基準に関する問題
“システム管理基準”によれば,情報戦略策定段階の成果物はどれか。
- ア関連する他の情報システムと役割を分担し,組織体として最大の効果を上げる機能を実現するために,全体最適化計画との整合性を考慮して策定する開発計画
- イ経営戦略に基づいて組織体全体で整合性及び一貫性を確保した情報化を推進するために,方針及び目標に基づいて策定する全体最適化計画
- ウ情報システムの運用を円滑に行うために,運用設計及び運用管理ルールに基づき,さらに規模,期間,システム特性を考慮して策定する運用手順
- エ組織体として一貫し,効率的な開発作業を確実に遂行するために,組織体として標準化された開発方法に基づいて策定する開発手順
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✓ これが正解イ経営戦略に基づいて組織体全体で整合性及び一貫性を確保した情報化を推進するために,方針及び目標に基づいて策定する全体最適化計画
解説
情報戦略の段階の成果物は全体最適化計画です。
設問は、システム管理基準でいう情報戦略策定段階の成果物を選ばせています。この基準は、情報システムに関わる仕事を段階に分けて並べています。はじめに経営戦略を受けて組織の全体の方針と目標を定める段階があり、次に個別のシステムをいつどう作るかを決める段階、そして作る段階、動かす段階と続きます。四つの肢はその段階を一つずつ受け持っているので、段階の名札を貼れば決まります。よって、経営戦略に基づいて組織体全体で整合性及び一貫性を確保した情報化を推進するために、方針及び目標に基づいて策定する全体最適化計画、という記述が当てはまります。読み方の助けが二つあります。一つは、肢がどれも長いので末尾の名詞だけを先に拾うこと。もう一つは、ある計画に合わせて作ると書かれていれば、その肢はその計画より下位にあると読むことです。上位のものを参照する側は、上位のものそのものではありません。部門ごとに好きにシステムを作ると、同じデータが別々に持たれ、つながらず二重の投資になり、全体の効果が上がりません。だから先に全体を見た計画を置き、個別の計画をそこへ合わせます。なお、この設問は出題当時のシステム管理基準に基づくもので、その後の改訂で基準の構成と項目は大きく見直されています。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア関連する他の情報システムと役割を分担し,…:他のシステムと役割を分担し、組織体として最大の効果を上げるという強い言い方が入っていますが、末尾の名詞は開発計画です。上位の計画に整合させる側なので、情報戦略より一段下の企画の段階に当たります。
- ウ情報システムの運用を円滑に行うために,運…:末尾の名詞は運用手順です。運用設計や運用管理のきまりに基づき、規模や期間やシステムの特性を踏まえて定めるものなので、作り終えたものを日々動かす段階の産物であり、戦略を決める段階ではありません。
- エ組織体として一貫し,効率的な開発作業を確…:組織体としてという語で始まるので範囲が広く見えますが、掛かる先は効率的な開発作業です。末尾の名詞も開発手順なので、標準に従って作る段階の産物にあたり、全社の方針を定めた成果物ではありません。
この問題の用語
- 情報戦略情報をどう活かして経営の目標に近づくかを定める方針です。立てるときは、中長期の経営計画と必ず足並みをそろえます。
- 情報システム業務に必要なデータを集め、処理し、伝えるための仕組み全体です。コンピュータや通信網だけでなく、それを使う人や業務の手順も含みます。
- 組織目的を果たすために、人が役割を分けて集まったまとまりのことです。分け方には機能別、事業部制、マトリックスなどの形があります。
- 作業工程を組み立てる、一つひとつの仕事の単位のことです。開始と終了、所要日数をもち、順序をつないで全体の日程を作ります。
出題当時の情報です(現在との違い)
設問は平成16年版システム管理基準に基づきます。同基準は2018年4月と2023年4月に改訂され、構成が組み替えられました。
出典:平成25年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問64
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