平成29年度 春期 午前 問58
システム監査
改善勧告に関する説明
システム監査人が監査報告書に記載する改善勧告に関する説明のうち,適切なものはどれか。
- ア改善の実現可能性は考慮せず,監査人が改善の必要があると判断した事項だけを記載する。
- イ監査証拠による裏付けの有無にかかわらず,監査人が改善の必要があると判断した事項を記載する。
- ウ監査人が改善の必要があると判断した事項のうち,被監査部門の責任者が承認した事項だけを記載する。
- エ調査結果に事実誤認がないことを被監査部門に確認した上で,監査人が改善の必要があると判断した事項を記載する。
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✓ これが正解エ調査結果に事実誤認がないことを被監査部門に確認した上で,監査人が改善の必要があると判断した事項を記載する。
解説
事実誤認の確認を経て書くのが改善勧告です。
設問は、システム監査人が監査報告書に記載する改善勧告の説明として適切なものを選ばせています。四つの肢はどれも同じ言い回しで終わっているので、切れるのは前半に置かれた条件だけです。そこで監査人が守る二本の柱を先に置きます。一つは、判断を必ず確かめた事実の上に立てること。もう一つは、相手の意向で書く書かないを変えない独立した立場を保つことです。この二本に当てると、条件の置き方が片方を壊している肢が見つかります。正しい手順は、調べた結果に事実の誤りがないかを相手に当たり、そのうえで改善の必要があると判断した事項を書くという流れです。ここで当たるのは事実の部分だけで、何を指摘するかという判断は監査人が自分で決めます。また勧告は相手に実行してもらうためのものなので、費用や期間や体制を踏まえた形で出すことも求められます。相手に事実を当たることと、相手の承認を得ることを混ぜないのが要点です。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア改善の実現可能性は考慮せず,監査人が改善…:実行できるかどうかを考えずに書くという条件です。二本の柱は壊していないものの、勧告は相手に動いてもらうためのものなので、費用や期間を踏まえない書き方では受け取った側が動けません。
- イ監査証拠による裏付けの有無にかかわらず,…:裏付けとなる監査証拠があるかどうかを問わずに書くという条件です。確かめた事実の上に立つという柱を正面から壊しており、根拠を欠いた指摘は反論されたときに支えを失います。
- ウ監査人が改善の必要があると判断した事項の…:相手の責任者が認めた事項だけを書くという条件です。独立した立場という柱を手放す形になり、都合の悪い指摘を相手の側で消せることになるので、監査そのものが働かなくなります。
この問題の用語
- 監査報告書監査の結果と意見、改善の勧告をまとめて伝える文書のことです。原案は相手と意見交換し、事実誤認がないかを確かめます。
- 改善勧告監査で見つかった問題について、直すよう促す申し入れのことです。事実の誤りがないかを相手と確かめてから、報告書に載せます。
- 監査証拠監査人の判断を裏づける記録のこと。被監査部門から入手した運用記録などがこれで、監査人自身が作った計画書や議事録は含みません。
- システム監査情報システムが安全で正しく使われているかを、担当から独立した立場で点検し報告すること。直すべきところを見つけて伝えます。
- 監査人システム監査を行う人。作る側や運用する側から独立した立場を保ち、自分では作らずに規程や記録を見て確かめます。
- 被監査部門監査を受ける側の部門のことです。求められた調査には応じますが、存在しない証憑を作ったり、監査の項目を自分で決めたりはしません。
出典:平成29年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問58
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前 問59:監査人が行うフォローアップ(監査報告書)
- 令和7年度 秋期 午前 問58:システム監査基準に関する問題(監査人)
- 令和7年度 春期 午前 問59:システム監査における“監査手続”(監査証拠)
- 平成30年度 春期 午前 問59:システム監査規程の最終的な承認者(被監査部門)
- 平成28年度 秋期 午前 問59:フォローアップに関する問題(改善勧告)
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