平成22年度 春期 午前Ⅱ 問5
システムの評価指標
シミュレーションに関する問題
コンピュータの性能評価には,シミュレーションによって行う方法や解析的な方法などがある。シミュレーションによって行う方法の特徴はどれか。
- ア解析的な方法よりも計算量が少なく,効率的に解が求まる。
- イ解析的な方法よりも,乱数を用いることで高精度の解が得られる。
- ウ解析的に解が求められないモデルに対しても,数値的に解が求まる。
- エ解析的に解が求められるモデルの確認に有効である。
答えと解説を見る
✓ これが正解ウ解析的に解が求められないモデルに対しても,数値的に解が求まる。
解説
シミュレーションは、解析的に解けないモデルでも数値的に解を得られます。
性能評価の解析的な方法は、待ち行列理論などの数式でモデルを解くものです。計算は速いものの、到着の分布やサービスのしかたが複雑になると、数式では解けなくなることがあります。シミュレーションは、モデルに沿って乱数などで事象を発生させ、コンピュータ上で動きをまねて結果を数値として集める方法です。そのため、解析的に解を求められないモデルにも使えるのが最大の特徴です。一方で、多くの試行が必要で計算量が大きく、得られる値には試行に伴うばらつきが含まれます。数式で解けないものを、試して測る方法、と押さえると判断できます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア解析的な方法よりも計算量が少なく,効率的…:シミュレーションは、多くの試行を繰り返して結果を集めるので、計算量はむしろ多くなるのが普通です。数式で直接解く解析的な方法より効率的に解が求まるという説明は、性格が逆になっています。
- イ解析的な方法よりも,乱数を用いることで高…:乱数を用いるシミュレーションの結果には、試行ごとのばらつきが含まれます。解析的に解が得られる場合に、乱数を使うことでそれより高い精度の解が得られるわけではありません。
- エ解析的に解が求められるモデルの確認に有効…:解析的に解が求められるモデルであれば、数式で解を得れば済みます。シミュレーションの持ち味は解析的に解けないモデルにも使える点にあり、解けるモデルの確認という説明はその特徴を捉えていません。
出典:平成22年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問5
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)