2024年5月 (特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問56
相続・事業承継
民法上の遺言に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
- 1公正証書遺言の作成において、遺言者の配偶者は証人として立ち会うことができない。
- 2自筆証書遺言の作成に当たって、自筆証書にこれと一体のものとして添付する財産目録をパソコンで作成する場合、その財産目録への署名および押印は不要である。
- 3同一の遺言者による公正証書遺言と自筆証書遺言について、それぞれの内容が異なっている場合、その異なっている部分については、作成日付の新しい遺言の内容が効力を有する。
- 4自筆証書遺言書保管制度により法務局(遺言書保管所)に保管されている自筆証書遺言は、遺言者の相続開始後、家庭裁判所の検認が不要である。
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✓ これが正解2自筆証書遺言の作成に当たって、自筆証書にこれと一体のものとして添付する財産目録をパソコンで作成する場合、その財産目録への署名および押印は不要である。
解説
パソコンで作った財産目録でも、各ページに署名と押印が必要です。
民法の普通方式の遺言には、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言があり、作り方、証人の要否、家庭裁判所の検認の要否がそれぞれ決まっています。
自筆証書遺言は、遺言者が全文・日付・氏名を自書し、印を押して作成するのが原則です。ただし、遺言書と一体のものとして添付する財産目録は自書しなくてもよく、パソコンで作成したり、預金通帳のコピーを添付したりできます。その場合でも、遺言者は目録の毎葉(各ページ)に署名し、印を押さなければなりません。財産目録への署名と押印をしなくてよいとする記述は不適切で、これが正解です。
ほかの記述は、公正証書遺言の証人になれない人、内容が食い違う複数の遺言の優劣、法務局に保管された遺言書の検認について、法律の定めどおりの内容です。
財産目録は自書しなくてよいが署名と押印は必要、と自書と署名押印を分けて覚えると判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1公正証書遺言の作成において、遺言者の配偶…:公正証書遺言には証人2人以上の立会いが必要ですが、推定相続人や受遺者、これらの配偶者や直系血族は証人になれません。遺言者の配偶者は推定相続人なので立ち会えず、この記述は適切です。
- 3同一の遺言者による公正証書遺言と自筆証書…:遺言の方式にかかわらず、前の遺言と後の遺言の内容が食い違うときは、その部分について後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます。作成日付の新しい遺言が優先されるので適切です。
- 4自筆証書遺言書保管制度により法務局(遺言…:自筆証書遺言書保管制度で法務局に保管されている遺言書には、家庭裁判所の検認の規定が適用されません。相続開始後に検認の手続を経ずに手続を進められるので、この記述は適切です。
出典:2024年5月 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定 学科試験(特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問56(改変:肢の番号をそろえ、表・図を文字に書き写して加工)。解説は当サイト独自のもので、日本FP協会・金融財政事情研究会とは関係ありません。
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