2024年5月 (特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問55
相続・事業承継
みなし相続財産に関する問題
民法に規定する相続の承認および放棄に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人とする生命保険契約の死亡保険金受取人に指定されていた相続人が、被相続人の死亡により死亡保険金を受け取った場合、その相続について単純承認をしたものとみなされる。
- 2相続人が相続の単純承認をした場合、原則として、被相続人のすべての権利義務を承継する。
- 3相続の放棄をしようとする者は、原則として、相続の開始があったことを知った時から3ヵ月以内に、家庭裁判所に相続の放棄をする旨を申述しなければならない。
- 4被相続人の子が相続の放棄をした場合、その相続の放棄をした者の子(被相続人の孫)は、代襲相続人とならない。
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✓ これが正解1契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人とする生命保険契約の死亡保険金受取人に指定されていた相続人が、被相続人の死亡により死亡保険金を受け取った場合、その相続について単純承認をしたものとみなされる。
解説
死亡保険金を受け取っても、単純承認をしたものとはみなされません。
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヵ月以内に、単純承認・限定承認・相続の放棄のいずれかを選びます。相続財産を処分するなど一定の行為をすると、単純承認をしたものとみなされます。
契約者(保険料負担者)と被保険者が被相続人で、相続人が受取人に指定されている生命保険の死亡保険金は、受取人が保険契約に基づいて自分の権利として受け取るもので、民法上は受取人固有の財産とされ、相続財産には含まれません。そのため、死亡保険金を受け取っても相続財産を処分したことにはならず、単純承認をしたものとはみなされません。単純承認をしたものとみなされるとする記述は不適切で、これが正解です。相続の放棄をした人でも死亡保険金を受け取ることができます。
なお、相続税では、この死亡保険金はみなし相続財産として課税の対象になります。民法と相続税法で扱いが異なる点に注意が必要です。
死亡保険金は、民法では受取人の財産、相続税ではみなし相続財産、と2つの扱いを区別して覚えると判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2相続人が相続の単純承認をした場合、原則と…:単純承認をした相続人は、預金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借入金などのマイナスの財産も含め、被相続人の権利義務を原則としてすべて承継します。この記述は適切です。
- 3相続の放棄をしようとする者は、原則として…:相続の放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヵ月以内に、家庭裁判所に申述して行います。この期間は家庭裁判所への請求で延ばすこともでき、この記述は適切です。
- 4被相続人の子が相続の放棄をした場合、その…:相続の放棄をした人は、初めから相続人とならなかったものとみなされます。代襲相続の原因は死亡・欠格・廃除に限られ、放棄は含まれないので、放棄した人の子は代襲相続人になりません。
出典:2024年5月 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定 学科試験(特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問55(改変:肢の番号をそろえ、表・図を文字に書き写して加工)。解説は当サイト独自のもので、日本FP協会・金融財政事情研究会とは関係ありません。
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